鍋屋上野浄水場は、愛知県名古屋市千種区宮の腰町に位置する、名古屋市上下水道局の管理する浄水施設です。この浄水場は名古屋市の水道史において重要な役割を果たしてきました。
鍋屋上野浄水場は、名古屋市で初めて建設された上水道施設であり、その歴史は1910年(明治43年)の着工に始まります。1914年(大正3年)に竣工し、同年9月から給水を開始しました。
木曽川の水は、犬山市の犬山取水場で取水され、緩速ろ過系は春日井市の鳥居松沈殿池を経由して自然流下で鍋屋上野浄水場まで運ばれます。一方、急速ろ過系は取水口から直接鍋屋上野浄水場に送水されます。
鍋屋上野浄水場には、初期から3期にわたる拡張工事で設置された緩速ろ過系統と、1934年(昭和9年)に導入された急速ろ過系統があります。現在の最大処理能力は1日あたり29万立方メートルに達します。
1987年(昭和62年)から1998年(平成10年)にかけて大規模な施設更新が行われました。また、緩速ろ過池は2010年(平成22年)より全面改修工事が実施され、耐震化が進められました。この改修工事は2013年(平成25年)12月に完了しています。
1914年(大正3年)に運用が開始された送水ポンプ所で、イギリス製のレンガを使用し、ヨーロッパ古典期の様式にバロック様式を融合させたデザインが特徴です。1992年(平成4年)まで稼働しており、現在は名古屋市指定文化財や土木学会選奨土木遺産にも認定されています。
1934年(昭和9年)に稼働を開始した鉄筋コンクリート構造の送水ポンプ所です。2011年(平成23年)には名古屋市の地域建造物資産として認定されました。
通水80周年を記念して設置された公園で、浄水場の南西部に位置します。この公園からは浄水場全体を見渡すことができ、旧施設で使用されていた石積みやレンガが再利用されています。
浄水場と東山配水場を結ぶ送水路敷地の地表部分に設置された人工の小川です。TBS系ドラマ「キッズ・ウォー」のロケ地としても知られています。
通常、鍋屋上野浄水場の敷地内への立ち入りは制限されていますが、毎年6月の「水道週間」に合わせて開催される「水フェスタ」の際には、一部の施設が一般に公開されます。このイベントでは、普段は見ることのできない施設内部の見学が可能で、水道の仕組みを学ぶ良い機会となっています。
鍋屋上野浄水場へのアクセスは以下の通りです。
鍋屋上野浄水場は、名古屋市の水道供給における重要な拠点であり、その歴史的価値や建築美も注目されています。普段は立ち入りが制限されていますが、イベント時にはその魅力を直接体感することができる貴重な施設です。水道の歴史や技術に興味がある方にはぜひ訪れていただきたい場所です。