萬松寺は、愛知県名古屋市中区大須にある単立の寺院です。織田信長や徳川家康と深い縁があり、織田家の菩提寺として知られています。
山号は亀嶽林(きがくりん)、本尊は十一面観世音菩薩です。歴史的な観光名所としても人気が高く、テレビCMなどでは「亀岳林 萬松寺」として紹介されています。
萬松寺は天文9年(1540年)、織田信秀によって織田家の菩提寺として建立されました。開山には信秀の叔父にあたる雲興寺第8世・大雲永瑞和尚が迎えられました。
その後、名古屋城の築城に伴い、慶長15年(1610年)に現在の大須3丁目に移転されました。移転後も尾張徳川家朱印寺として篤く信仰され、寺の重要性は変わることがありませんでした。
1945年(昭和20年)の名古屋大空襲で全焼した後、寺は再建され、1994年(平成6年)には地下1階・地上5階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造の本堂が完成しました。
2017年(平成29年)には、不動堂と稲荷堂が「白龍館」として新たにオープンし、現在も多くの参拝者や観光客を迎えています。
織田信長が父・織田信秀の葬儀の際に位牌に抹香を投げつけたという有名な事件が起こったのは、萬松寺が大須に移る前のことです。この出来事は信長の破天荒な性格を象徴するものとして語り継がれています。
徳川家康は6歳の時に証人(人質)として今川義元の元へ送られる途中、この寺に引き渡され、9歳まで過ごしたと伝えられています。
萬松寺の本堂に設置されたからくり人形は、信長の「抹香投げつけ」や桶狭間の戦いを前にした「敦盛の舞」を再現したものです。人形師8代目玉屋庄兵衛の手による作品で、2011年に修復されて再び公開されました。
本堂は地下1階・地上5階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造の建物で、1階に本堂、2階に開山堂と位牌堂、地下1階と上階には納骨堂が設けられています。屋上には鐘楼堂もあります。
2017年に完成した白龍館には、不動堂や白雪稲荷堂があり、加藤清正命名の身代わり不動明王石像や白雪枳尼真天が祀られています。
萬松寺では、2017年の建て替え工事の際に将棋のタイトル戦開催を見据えた設備が導入されました。その結果、2018年以降、名人戦や竜王戦などのタイトル戦が開催されています。また、寺では将棋関連の情報発信にも積極的に取り組んでいます。
萬松寺へは、名古屋市営地下鉄名城線・鶴舞線「上前津駅」から徒歩約3分でアクセスできます。