文化のみち二葉館は、名古屋市東区橦木町に位置する歴史的建造物であり、展示施設として利用されています。 旧川上貞奴邸(きゅうかわかみさだやっこてい)の名称でも知られ、「文化のみち」を構成する重要な拠点です。 この施設は「白壁・主税・橦木町並み保存地区」のすぐ外側にあり、和洋折衷の美しい建築が目を引きます。
文化のみち二葉館の前身である旧川上貞奴邸は、名古屋市東区東二葉町(現在の白壁三丁目)に1920年(大正9年)に建設されました。 この建物は、「電力王」と呼ばれた福澤桃介と、日本初の女優である川上貞奴が共に暮らした邸宅として有名です。
福澤桃介は、住宅専門会社「あめりか屋」に依頼してこの建物を設計・建築しました。 その豪華で斬新な外観から「二葉御殿」と称され、和洋折衷建築の一例として注目を集めました。
福澤桃介が隠居のため東京へ移住すると、貞奴も東京を拠点とする生活を始めました。その後、1937年(昭和12年)には敷地が分割され、 建物の東半分は取り壊されましたが、西半分は増改築され、「大同特殊鋼二葉荘」として利用されました。
2000年(平成12年)、名古屋市が大同特殊鋼から寄贈を受け、現在の橦木町に移築して復元を行いました。 2005年(平成17年)2月には、「文化のみち二葉館」として新たに公開されました。 開館翌日には主屋と蔵が国の登録有形文化財として登録されています。
1階の大広間では、ステンドグラスをはじめとする装飾が目を引きます。特に福澤桃介の義弟であり、有名なデザイナーでもある杉浦非水によるデザインが原画となっています。 当時の部材を使って復元された展示物もあり、歴史的価値が高い空間です。
展示室1では、川上貞奴が女優として活躍していた頃の資料や舞台衣装、写真が展示されています。 また、パリ万博で彼女の公演を宣伝したポスターや、青年時代のピカソが描いた貞奴のデッサンも必見です。
文化のみち二葉館は、近代文学の祖である坪内逍遙をはじめとする名古屋ゆかりの文学者の資料を収集し展示しています。 特別企画展も年に4回開催され、地域の文学活動を振り返る貴重な機会を提供しています。
開館時間: 午前10時から午後5時
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料: 200円(中学生以下は無料)
駐車場: 10台(30分以内無料、1回300円)
文化のみち二葉館は、名古屋の歴史と文化、さらには文学や建築技術の魅力を感じられる貴重な施設です。 昔の生活や建築を体感しながら、川上貞奴や坪内逍遙といった名古屋ゆかりの人物に思いを馳せることができます。 名古屋を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。