名古屋市市政資料館は、愛知県名古屋市東区白壁にある公文書館です。旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎を利用したこの建物は、名古屋市の歴史や市政に関する重要な資料を保存・公開する役割を担っています。
名古屋城から少し離れた位置にあり、名城公園の一部として扱われています。建物は重要文化財に指定され、名古屋市が設定する「文化のみち」の起点とされています。1922年(大正11年)に建設され、1989年(平成元年)に市政資料館として開館しました。
市政資料館は、「歴史資料として重要な公文書等を保存し、利用に供する」ことを目的に設置されました。市制施行以降の公文書や行政資料を保存し、市民や研究者に提供することで、名古屋市の歴史的価値を広めています。
市政資料館では、名古屋市の行政に関する重要な公文書を収集・保存しています。資料は主に非現用の公文書で、1889年(明治22年)の市制施行以降の記録を中心に保存されています。資料の閲覧は無料で、大部分が閉架式で保管されていますが、申請により閲覧が可能です。
市政資料館では、名古屋市が発行した刊行物や歴史に関する資料も保存されています。古い新聞や名古屋に関連する図書など、明治時代から現代までの資料が閲覧可能です。中には1871年(明治4年)発行の「名越各業独案内」といった貴重な資料も含まれています。
館内では、名古屋市の誕生から現代までの政治、経済、文化などに関する展示が行われています。写真パネルや複製資料を使用して、市政の歩みを分かりやすく紹介しています。小中学校の総合学習などでの利用も多く、教育施設としての役割も果たしています。
この建物は、煉瓦造と鉄筋コンクリートを組み合わせた洋風建築で、外観は白い花崗岩で覆われています。内部は「ネオ・バロック様式」を基調とし、中央階段室にはステンドグラスや漆喰塗りの装飾が施されています。1984年(昭和59年)に重要文化財に指定されました。
館内では、明治憲法下や現代の司法制度に関する展示が行われています。名古屋高等裁判所の協力により、裁判員制度に関する常設展示も設置されており、法制度の変遷を学ぶことができます。また、名古屋城の金鯱の盗難事件に関連する証拠物件など、貴重な展示資料もあります。
訪問者が休憩できる喫茶室が併設されており、美しい景観を楽しみながらリラックスできます。
会議や講習会、作品展示などに利用可能な集会室・展示室も提供されています。ただし、営利目的での利用は認められていないため、申し込み時には注意が必要です。
名古屋市市政資料館は、名古屋城から徒歩圏内にあり、公共交通機関でのアクセスも便利です。近隣には「文化のみち」に属する他の観光スポットも多く、歴史散策の拠点として最適です。