龍泉寺は、愛知県名古屋市守山区竜泉寺に位置する天台宗の寺院で、「松洞山 大行院」とも号します。尾張四観音の一つとして、名古屋城の鎮護を担い、尾張三十三観音霊場の第二十五番札所として信仰を集めています。本尊は厄除け・開運の馬頭観音です。
龍泉寺の起源は古く、「沙石集」には龍王が一夜で造立した寺とされ、馬頭観音が現れた池跡が見えると記されています。また、伝教大師最澄が熱田神宮での参籠中に龍神のお告げを受け、多々羅池で祈ると馬頭観音が出現したことが開基とされています。
さらに、弘法大師空海が八剣のうち三剣を龍泉寺に埋納したとも伝えられ、熱田の奥の院とされています。庄内川を見下ろす高台に位置する龍泉寺は軍事的要衝としても用いられ、織田信長や豊臣秀吉により戦略的に利用されました。
明治39年の放火により焼失しましたが、焼跡から発見された小判を資金として再建されました。本堂は馬頭観音を祀り、古くから厚い信仰を集めています。
慶長12年(1607年)建立の楼門で、昭和3年に国の重要文化財に指定されました。室町時代の様式を残し、平成15年に屋根の全面葺き替えが行われています。
明治28年に再建された多宝塔は、中世から近世の技法を伝える貴重な建築物で、阿弥陀如来が安置されています。
昭和34年に平和を祈念する鐘が設置され、日々その音が響き渡ります。
龍泉寺の東側には回向院が静かに佇み、趣深い放生池とともに清閑な雰囲気を醸し出しています。展望台からは濃尾平野や木曽山脈を一望でき、名勝地としても魅力的です。
重要文化財に指定されている仁王門は、歴史的価値の高い建築物で、修理を重ねながら保存されています。
慶長期に作られたとされる木造地蔵菩薩立像は、龍泉寺の貴重な文化財の一つです。
円空による馬頭観音像や千体仏も龍泉寺の宝物として大切に保管されています。
歴史上、軍事的拠点として用いられた龍泉寺城の跡地には宝物館があり、毎週日曜に公開されています。貴重な文化財や仏像が展示され、歴史を学ぶ場として親しまれています。
龍泉寺では、修正会や節分会、盂蘭盆会など多彩な年中行事が行われています。特に星供や彼岸会は多くの参拝者で賑わいを見せます。
名古屋ガイドウェイバス志段味線「竜泉寺口」または「竜泉寺」停留所から徒歩約3分。自動車の場合、名古屋第二環状自動車道の小幡インターチェンジ、または松河戸インターチェンジより北東へ約5分です。
歴史と文化が息づく龍泉寺は、観光だけでなく心を癒す場所としてもおすすめです。