横山美術館は、愛知県名古屋市東区葵に位置する私設美術館です。陶磁器の芸術的価値を伝えるこの美術館は、名古屋が誇る文化施設の一つとして国内外から多くの注目を集めています。
横山美術館は、名古屋市の実業家である横山博一氏が収集した陶磁器コレクションを展示しています。このコレクションは、明治・大正期に作陶され、海外へ輸出された名古屋絵付けの「里帰り品」を中心に構成されています。2017年(平成29年)10月1日に開館し、約4,000点の作品を収蔵しています。
5階建ての建物は、1階から3階が常設展示スペースとなっており、オールドノリタケを含む約500点が常設展示されています。4階は企画展示スペースとして年2〜3回の特別展示が行われています。また、5階には多目的ホールや図書コーナーが設けられ、陶磁器に関するさらなる学びの場を提供しています。
横山美術館の常設展では、明治・大正期における日本の陶磁器の発展とその美を多角的に楽しむことができます。以下に主な展示品とその特徴をご紹介します。
幕末の横浜開港以降、東京や横浜で発展した陶磁器。輸出用に生産された上絵付けの技術が光る作品が展示されています。震災や戦災で衰退したため「幻の陶磁器」とも呼ばれています。
尾張出身の井上良齋が江戸で始めた隅田焼。高浮彫の技法や彩色が特徴で、中国風のシノワズリからジャポニズムまで多様なデザインが魅力です。
宮川香山が創始した眞葛焼は、立体的な装飾が特徴。明治期には輸出用陶磁器として人気を博し、豪華な金彩が施されています。
江戸時代から生産されている九谷焼。明治時代には薩摩様式を取り入れた作品が輸出され、欧米で「ジャパン・クタニ」として知られるようになりました。
千年以上の歴史を持つ瀬戸焼は、明治時代の輸出品として発展しました。染付や上絵付けが評価され、海外市場で高い人気を誇りました。
森村市左衛門が創始したノリタケの初期作品群。豪華なデザインと独自の技法で欧米市場を席巻しました。
ガラスビーズを使用した独自の技法で、光の反射が美しい装飾が特徴。明治期に日米で特許を取得した技術です。
横山美術館は、陶磁器を通して日本の文化と歴史を感じられる貴重な場所です。常設展や企画展を通じて、国内外の来館者に陶磁器の魅力を伝えています。名古屋を訪れる際は、ぜひ横山美術館を訪れ、素晴らしい作品の数々をお楽しみください。