一宮市尾西歴史民俗資料館は、愛知県一宮市起下町211に位置する歴史博物館です。本館と旧林家住宅を用いた別館の二つの建物から構成され、美濃路起宿や尾西地域の地場産業である尾張縞・毛織物などに関する貴重な資料が展示されています。
本館では常設展示が行われ、地域の歴史や文化、産業について学ぶことができます。別館(旧林家住宅)は国登録有形文化財に指定されており、その建物自体が歴史的価値の高い展示物として公開されています。また、別館に隣接する日本庭園(旧林氏庭園)も見どころの一つで、季節ごとの風情を楽しめます。
美濃路起宿は、江戸時代に東海道と中山道を結ぶ美濃路に設置された宿場町です。林家は寛永18年(1641年)に起宿の脇本陣を務め、その後も船庄屋を兼務しました。また、江戸時代中期には国学者・加藤磯足を輩出するなど、学問や文化にも寄与しました。
1891年(明治24年)の濃尾地震で林家の建物は倒壊しましたが、1913年(大正2年)に9代目当主林英太郎によって現在の住宅が建てられました。その後、昭和初期には10代目当主林幸一が日本庭園を整備しました。この庭園は現在も維持され、多くの訪問者を魅了しています。
1983年(昭和58年)に尾西市が旧林家住宅を整備して「起宿記念館」として公開しました。さらに1986年(昭和61年)には隣接地に尾西市歴史民俗資料館を開館し、起宿記念館は別館に改称されました。2005年(平成17年)に一宮市と尾西市が合併した際、現在の名称に変更されました。
本館では、美濃路や起宿に関する資料、江戸時代から昭和時代の織機、木曽川の舟橋模型、木曽川の魚類に関する資料などが展示されています。2階には子どもたちが自由に学べる「発見の森」や、地域の歴史書を閲覧できる図書コーナーがあります。
別館は建築物そのものが展示の対象で、玄関や内部の意匠は歴史的な趣を感じさせます。日本庭園(旧林氏庭園)は面積1157平方メートルを誇り、石灯籠や飛び石が配置された主庭、裏座敷に面する坪庭、中央の園池などが見どころです。秋には紅葉が楽しめ、多くの観光客が訪れます。
開館時間は9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)です。休館日は毎週月曜日、休日の翌日、年末年始です。
入場は無料です。
JR東海道本線「尾張一宮駅」または名鉄名古屋本線・尾西線「名鉄一宮駅」から、名鉄バス「起」行きに乗車し、「起」バス停で下車、徒歩約5分です。
一宮市尾西歴史民俗資料館は、美濃路起宿や尾西地域の歴史文化に触れる貴重な場所です。旧林家住宅や日本庭園の歴史的価値を感じながら、地域の歴史をじっくり学べることが魅力です。ぜひ一度訪れてみてください。