国府宮はだか祭は、愛知県稲沢市にある尾張大国霊神社(通称:国府宮)で行われる儺追神事(なおいしんじ)の通称です。この祭りは毎年旧暦の正月13日から翌朝にかけて行われ、厄災や穢れを祓う伝統行事として知られています。県指定の無形民俗文化財にも指定されており、全国から多くの参拝者が訪れます。
儺負人(なおいにん)は、厄災を背負う役割を担う重要な存在です。志願者の中からくじ引きで選ばれ、儺追神事の3日前から儺追殿に籠り、精進潔斎を行います。儺負人は、この祭りの中心的な役割を果たします。
旧暦正月13日午後には、地区ごとに集まった厄男たちが下帯姿で国府宮に集結します。儺追笹(なおいざさ)を持ち込み、拝殿に奉納することで厄払いの準備が進められます。午後3時の儺追神事開始とともに、境内は儺負人の登場を待つ数千人の男たちで埋め尽くされます。
儺負人が男たちの中に飛び込むと、彼に触れることで厄を祓おうとする男たちが押し合い、揉み合いを繰り広げます。儺負人が揉みくちゃにされ、儺追殿に引き込まれるまでが祭りのクライマックスです。
翌朝午前3時、夜儺追神事が行われます。儺負人は、穢れを封じ込めた土餅(どべい)を背負わされ、桃と柳の小枝で作られた礫を投げつけられながら境外へ追放されます。儺負人は暗がりの中で土餅を捨て、後ろを振り返らずに帰宅します。その後、神職が土餅を土中に埋めることで厄払いが完了します。この儀式が、祭りで最も神聖な部分とされています。
この祭りの正式名称は「儺追神事」で、起源は奈良時代の神護景雲元年(767年)にさかのぼります。当時、称徳天皇が悪疫退散の祈祷を命じた際、尾張国司が尾張大国霊神社で祈祷を行ったのが始まりとされています。その後、江戸時代末期に裸参りの風習が結びつき、現在の形式に発展しました。
尾張大国霊神社は愛知県稲沢市に位置し、尾張国の総社として古くから地域の信仰を集めてきました。「国府宮」という通称で親しまれ、名鉄名古屋本線の国府宮駅もこの神社にちなんで名付けられました。
神社の本殿は「尾張式」と呼ばれる建築様式で、拝殿や楼門といった重要文化財が特徴です。本殿近くには磐境(いわくら)があり、古代の祭祀様式を今に伝えています。
主祭神は尾張大国霊神であり、尾張地域を開拓した人々の祖先神とされています。開拓の神である大国主命と同一視されることもあります。
国府宮はだか祭は、単なる祭りではなく、地域の歴史や文化、信仰を深く象徴する行事です。厄払いと地域の繁栄を祈るこの神事は、地元の人々にとって欠かせないものです。また、そのダイナミックな光景は国内外から多くの観光客を引き寄せています。
尾張大国霊神社は名鉄名古屋本線「国府宮駅」から徒歩数分の場所にあります。祭り期間中は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用がおすすめです。
国府宮はだか祭は、歴史と伝統に根差した重要な行事です。その独特の儀式と熱気あふれる光景は、訪れる人々に忘れられない体験を提供します。ぜひ一度、この壮大な祭りを体感してみてはいかがでしょうか。