性海寺は、愛知県稲沢市にある真言宗智山派の寺院で、本尊には善光寺式阿弥陀三尊像が安置されています。その山号は「大塚山」とされています。由緒ある歴史を誇り、文化財が多く保存されているだけでなく、美しい庭園や季節の花々が訪れる人々を楽しませてくれます。
寺伝によると、弘仁年間(810年~824年)に弘法大師・空海が愛染明王を本尊として創建したとされています。その後、治承年間(1177年~1181年)には阿弥陀三尊像が安置され、建久年間(1190年~1199年)には長谷部源政が開基となり、良敏によって中興されました。
性海寺は、北条時頼、足利尊氏、織田敏定、浅野長政、松平忠吉、徳川義直といった歴史的な人物たちから庇護を受け、長い歴史の中で重要な寺院として発展してきました。
性海寺には多くの貴重な文化財が保存されています。その中でも国指定重要文化財として以下のものが挙げられます。
室町時代に建立された多宝塔は、精巧な構造と美しい装飾が特徴です。高さ48.7センチメートルの五輪塔には色漆や金銅製の装飾が施され、内部からは弘安8年(1283年)制作と判明した納入品が発見されています。
慶安元年(1648年)に建てられた本堂は、近世の建築物ながら内部には中世の部材が使用されています。須弥壇には弘安4年(1281年)の墨書があり、その歴史的価値が高く評価されています。
本堂内に安置されている宝塔は、高さ2.6メートルの円筒形塔身を持つ小塔で、弘安4年頃の建立とされています。本尊を安置する厨子として使用され、その形式美が際立っています。
性海寺の境内に整備された「大塚性海寺歴史公園」は、豊富な文化財を間近で楽しめるほか、季節ごとの花々が訪れる人々を癒してくれる憩いの場です。特に初夏に咲き誇るアジサイの名所として有名で、毎年6月には「稲沢あじさいまつり」が開催されます。
公園内には、「伊豆の華」「城ヶ崎」「カシワバアジサイ」など日本のアジサイや、「アナベル」などの西洋アジサイが植えられています。その数は約90種1万株にも及び、訪れる人々を楽しませています。シーズンには色とりどりのアジサイが咲き誇り、園内は華やかな雰囲気に包まれます。
「あじさいまつり」では、多種多様なアジサイの観賞だけでなく、地域の文化に触れることができる催しも行われます。また、公園内には山門や多宝塔など歴史的な建築物が点在しており、歴史と自然を同時に楽しむことができます。
性海寺と大塚性海寺歴史公園は、歴史的価値の高い文化財と四季折々の自然が調和した観光スポットです。特に初夏のアジサイの美しさは格別で、地元の人々だけでなく遠方からも多くの観光客が訪れます。その豊かな歴史と自然美をぜひ体感してみてください。