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津島市

(つしまし)

水と信仰が息づく尾張の古都

津島市は、愛知県西部に位置する歴史と文化のまちです。名古屋市中心部から西へ約7キロメートルという近さにありながら、1400年以上の歴史を誇る津島神社の門前町として、また木曽三川に支えられた湊町として発展してきました。現在も海部津島広域行政圏の中心都市として、行政・経済・文化の要となり、名古屋都市圏のベッドタウンとしての役割も担っています。

津島市の成り立ちと地理的特徴

津島市の市域は、ほぼ全域が海抜ゼロメートル地帯に位置しています。日光川、新堀川、善太川、目比川、佐屋川など、数多くの河川が網の目のように流れ、古くから水とともに生きる暮らしが営まれてきました。

江戸時代以前、市の中心部には天王川が流れ、津島は文字通り「水の都」として知られていました。現在は天王川公園の「丸池」としてその名残をとどめ、市民や観光客の憩いの場となっています。

古代から続く人の営み

弥生時代から飛鳥・奈良時代へ

津島市には、約2000年前の弥生時代中期にまでさかのぼる人々の生活の痕跡が確認されています。寺野遺跡や埋田遺跡からは弥生土器が出土しており、古くから人が暮らす土地であったことがわかります。

飛鳥時代にはすでに「津嶋」という地名が存在し、天武天皇7年(678年)のものとされる木簡が出土しています。奈良時代には寺院が建立されていたと考えられ、津島は古代から信仰と交通の拠点として重要な役割を果たしてきました。

中世・近世に花開いた湊町と門前町

津島は木曽川派川に面し、鎌倉時代以前から湊町として発展しました。鎌倉・室町時代を通じて、尾張と伊勢を結ぶ水上交通の要衝として栄え、物資と人が集まる賑わいのある町となりました。

また、全国に約3,000社ある天王社の総本社である津島神社の門前町として、信仰の中心地としても発展。戦国時代には織田信定・信秀・信長と続く織田氏三代の経済基盤を支え、尾張一豊かな町と称されるほどの繁栄を誇りました。

近代から現代へ ― 産業と都市の変化

明治時代以降、津島市は紡績業を中心とした工業都市として発展しました。東洋紡績津島工場をはじめとする繊維産業が地域経済を支え、多くの人々がこの地で働き、暮らしてきました。

現在は住宅都市としての性格を強めつつも、歴史や文化を大切に守り、2016年には尾張津島天王祭がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、国内外から注目を集めています。

津島神社 ― 天王信仰の総本社

津島神社は、1450年以上の歴史を誇る古社で、疫病除け・厄除けの神として広く信仰されています。「西の八坂神社、東の津島神社」と並び称され、全国に広がる天王信仰の中心地です。

境内には、豊臣秀吉の寄進による楼門や、徳川家康ゆかりの本殿など、国の重要文化財が点在し、歴史の重みを今に伝えています。

日本三大川まつり「尾張津島天王祭」

毎年夏に開催される尾張津島天王祭は、日本三大川まつりの一つに数えられます。夜の宵祭では、無数の提灯を灯した車楽舟が川面を進み、幻想的な光景が広がります。

この祭りは重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。津島市を代表する一大行事として、今も多くの人々を魅了しています。

歴史的建造物と町並み

津島市には、国の重要文化財である堀田家住宅をはじめ、佐屋街道沿いの町並みや神守宿の史跡など、江戸時代の面影を感じさせる建造物が数多く残されています。

また、津島市観光交流センター(旧津島信用金庫本店)は登録有形文化財で、観光の拠点として市の歴史や文化を紹介しています。

神社仏閣が彩る信仰のまち

津島市内には約150近くの神社・寺院が点在しています。津島神社をはじめ、憶感神社、清正公社、日吉神社など、由緒ある神社が多く、信仰の厚さが感じられます。

寺院も数多く、妙延寺や安託寺、宝寿院など、それぞれに歴史や伝承を持ち、静かな佇まいが訪れる人の心を和ませます。

城郭と歴史遺構

奴野城跡(ぬのやじょうあと)

奴野城跡は、現在の西方寺周辺に存在したとされる城跡です。戦国時代には、第三次長島一向一揆の際に織田軍の拠点として利用され、津島が軍事・戦略上も重要な場所であったことを物語っています。現在は城郭としての遺構は残っていませんが、周辺の寺院や町並みを歩くことで、かつての緊張感ある歴史に思いを馳せることができます。

佐屋街道と宿場町の風景

佐屋街道

佐屋街道は江戸時代に整備された街道で、名古屋と伊勢方面を結ぶ重要な交通路でした。津島はその途中に位置し、宿場町として多くの旅人や物資を受け入れてきました。現在も街道沿いには歴史を感じさせる町割りや史跡が残り、散策路として人気を集めています。

神守宿

神守宿は佐屋街道の宿場町として栄え、旅籠や商家が軒を連ねていました。現在は住宅地となっていますが、道幅や地形に当時の面影を感じることができます。

神守一里塚

神守一里塚は、佐屋街道で唯一現存する一里塚で、「津島の大ムク」とも呼ばれる大木が目印です。江戸時代の交通制度を今に伝える貴重な史跡で、旅人が距離を知るための重要な役割を果たしていました。

神守本陣跡・神守代官所跡

神守本陣跡は、大名や公家など身分の高い旅人が宿泊した場所で、神守代官所跡は1783年から1803年まで尾張藩の代官所として設置されていました。これらの史跡は、津島が政治・行政の面でも重要であったことを示しています。

門前町と歴史的建造物

津島神社門前町の街並み

津島神社の周辺には、門前町として発展してきた歴史ある街並みが広がっています。古い町家や商家の佇まいが残り、歩くだけで江戸から明治にかけての津島の繁栄を感じることができます。

津島市観光交流センター

津島市観光交流センターは、旧津島信用金庫本店の建物を活用した登録有形文化財です。館内では津島市の歴史や文化、祭りについて学ぶことができ、観光の拠点として多くの人に利用されています。

堀田家住宅

堀田家住宅は、正徳年間に建てられたとされる国の重要文化財で、江戸時代の商家建築を今に伝えています。広い敷地と重厚な建物は、かつての豪商の暮らしをリアルに感じさせ、津島の経済的繁栄を象徴する存在です。

氷室佐大夫住居

氷室佐大夫住居は、津島の歴史的人物にゆかりのある住宅で、当時の生活文化を知る手がかりとなる貴重な建物です。

神社仏閣が織りなす信仰のまち

津島市内には約150もの神社・寺院があり、古くから信仰が生活に深く根付いてきました。

津島神社

津島神社は、1450年以上の歴史を誇る由緒ある神社で、「西の八坂神社、東の津島神社」と並び称されます。疫病除け・厄除けの神として信仰され、全国の天王社の総本社です。豊臣秀吉寄進の楼門や、松平忠吉夫人寄進の本殿は国の重要文化財に指定されています。

その他の神社

秋葉神社、愛宕神社、憶感神社、清正公社、幸野神社、穂歳神社、日吉神社などがあり、それぞれに由緒や伝承を持ち、地域の人々に親しまれています。

寺院群

安託寺、雲居寺、延命禅寺、妙延寺など多くの寺院が点在し、妙延寺は加藤清正が手習いをした寺として知られています。山門や本堂など、見どころも豊富です。

アフマディーヤモスク

津島市にはアフマディーヤモスクもあり、多文化共生の象徴として国内外から注目されています。

自然と憩いの観光スポット

天王川公園

天王川公園は津島市を代表する公園で、春の桜、初夏の藤、秋の紅葉など四季折々の美しい景観が楽しめます。特に「尾張津島藤まつり」の時期には多くの観光客で賑わいます。

その他の公園

東公園、市民の森、海西公園など、市民や観光客が気軽に自然と触れ合える場所が整備されています。

文化・娯楽施設

池須温泉や日帰り温泉湯楽、津島市文化会館など、観光とともに癒しや文化体験ができる施設も充実しています。

祭りと伝統行事

尾張津島天王祭

尾張津島天王祭は日本三大川祭の一つに数えられ、夜の川面に灯る車楽舟の幻想的な光景で知られています。2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的にも評価されています。

津島秋まつり

山車や石採祭車、神楽が市内を練り歩く賑やかな祭りで、地域の伝統と活気を体感できます。

名産・特産品

津島市には、素朴な味わいが魅力のあかだ・くつわや、もちもちとした食感が人気の麩まんじゅうなど、長く愛されてきた和菓子があります。観光の思い出やお土産としてもおすすめです。

津島市の交通網

鉄道

津島市の中心駅は「津島駅」で、名古屋鉄道(名鉄)の津島線・尾西線が乗り入れています。名古屋市とのアクセスが良好で、通勤・通学に便利です。

バス

道路

歴史と暮らしが調和する津島市

津島市は、古代から現代まで連綿と続く歴史と文化を大切に守りながら、名古屋近郊の住みやすい都市として発展を続けています。水と信仰に育まれたまち並み、華やかな祭り、そして人々の温かさが、訪れる人を優しく迎えてくれます。

歴史探訪から自然散策、祭り体験まで、多彩な魅力を持つ津島市。ぜひ足を運び、その奥深い魅力に触れてみてください。

Information

名称
津島市
(つしまし)

尾張西部・一宮

愛知県