延命寺は、愛知県大府市にある天台宗の寺院です。山号は「宝龍山(ほうりゅうざん)」で、本尊として延命地蔵菩薩を祀っています。歴史あるこの寺院は、多くの文化財を所蔵し、地元の信仰の中心として親しまれています。
延命寺の山門は「文殊楼門」と呼ばれています。これは楼上に文殊菩薩を安置していることに由来しています。総ヒノキ造りで、三間一戸、二手先斗組を用いた入母屋造りの楼門です。装飾には鳳凰、牡丹、唐獅子などの彫刻が施され、左右には七条仏師「康慶」作と伝えられる仁王像が安置されています。
延命寺の創建は鎌倉時代に遡ります。盛祐によって開かれ、当時は七堂伽藍を備えた大規模な寺院でした。しかし、応仁の乱の戦火により焼失。その後、比叡山延暦寺の慶済法印によって再興されました。
戦国時代になると、緒川城主である水野家の出身である真慶が水野家からの寄進を受け、寺の基盤を整えました。江戸時代には尾張藩から20石余の黒印の安堵を受けるなど、歴代の藩主からも保護されました。
また、延命寺の山号「宝龍山」は、1533年(天文2年)に後奈良天皇から賜ったものとされています。
延命寺が誇る重要な文化財の一つが「刺繍普賢菩薩像」です。良質な絹地に、六本の牙を持つ象に乗る普賢菩薩が精巧な刺繍で表現されています。中国の宋末期または元初期の渡来品と伝えられており、その繊細な技術と歴史的価値から、愛知県指定文化財に指定されています。
天保7年(1836年)に起工し、天保11年(1840年)に完成した歴史的な山門です。昭和61年(1986年)には大規模な解体修復工事が行われました。
延命寺に伝わる貴重な写経で、大般若経の全巻が保存されています。
延命寺の御詠歌は次のように詠まれています。
「心して 詣れ其の名も 延命寺 地蔵の利益 疑ひもなし」
愛知県大府市大東町1丁目279
延命寺へは以下の方法でアクセス可能です。
延命寺は、歴史的な背景を持つだけでなく、多くの貴重な文化財を所蔵している寺院です。静寂な境内で歴史を感じながら、心を落ち着かせるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。