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豆味噌・たまり 醸造伝承館

(まめみそ たまり じょうぞう でんしょうかん)

豆味噌・たまり 醸造伝承館は、愛知県知多郡武豊町にある、豆味噌とたまり醤油の歴史と製法を今に伝える見学施設です。日本有数の醸造地として知られる知多地方において、長年にわたり味噌とたまりの醸造を続けてきた中定商店が、自社の蔵を活用して開設しました。昔ながらの醸造文化を、見て・触れて・味わいながら学べる貴重なスポットとして、多くの観光客や食文化愛好家に親しまれています。

昔の醸造風景を今に伝える施設

醸造伝承館は、豆味噌・たまりの蔵元である中定商店が、かつて実際に使用していた醸造蔵を改装して誕生しました。館内では、明治時代から使われてきた醸造用具や資料が展示され、豆味噌とたまりがどのように造られてきたのかを、分かりやすく学ぶことができます。

特に印象的なのは、地域の先人たちが残した数多くのたまりや醤油のラベルの展示です。先代が自社製品にこだわらず集めたとされるこれらのラベルは、当時の暮らしや食文化、商いの歴史を感じさせ、訪れる人の心に懐かしさを呼び起こします。

豆味噌・たまりを「体感」する見学内容

館内には、豆味噌やたまり醤油の古い時代の醸造用具が数多く展示されています。単に見るだけでなく、実際に道具に触れたり、動かしたりできる点が大きな魅力です。明治時代から現代まで受け継がれてきた醸造方法について、丁寧な解説を聞くことができます。

また、たまりを搾るための槽(ふね)の操作実演や体験、木桶や樽の修理実演なども行われており、職人の技を間近で感じることができます。工場見学では、現在も使用されている木桶による昔ながらの醸造方法について説明があり、伝統を守り続ける姿勢に深い感銘を受けることでしょう。

知多地方と醸造文化の深い関わり

知多地方は、千葉県の銚子、兵庫県の灘と並び、日本三大銘醸地のひとつに数えられています。温暖な気候と良質な水に恵まれたこの地では、古くから醸造業が盛んに行われてきました。

特に武豊町は、明治初期から港と鉄道を活用して販路を広げ、豆味噌やたまりの一大生産地として発展しました。昭和初期には50軒以上の醸造業者が存在し、地域全体が醸造文化とともに栄えていたことが分かります。醸造伝承館は、そうした知多地方の歴史と誇りを今に伝える存在です。

中定商店の歩みと醸造伝承館の誕生

中定商店は、1879年(明治12年)に初代・中川定平氏が豆味噌とたまり醤油の醸造蔵として創業しました。1916年(大正5年)には、現在の醸造伝承館となっている大五蔵を建設し、当時は食塩の倉庫として使用されていました。

1987年(昭和62年)、五代目中川隆文氏が「味噌とたまりの歴史を多くの人に伝えたい」という思いから、この大五蔵を改装し、醸造伝承館として開館しました。館内には、古いポスターや勘定帳、商品ラベル、製造工程を描いたイラスト、木製の圧搾機などが展示され、見ていて飽きることのない内容となっています。

登録有形文化財としての建物の魅力

醸造伝承館を含む敷地内の大五蔵・昭二蔵・昭三蔵の3棟は、国の登録有形文化財に指定されています。いずれも木造で、それぞれ異なる時代背景と建築的特徴を持っています。

大五蔵は、太い柱に支えられた堅牢な構造が特徴で、醸造文化の重みを感じさせます。昭二蔵は洋風技法を取り入れた開放的な空間が魅力で、現在は店舗や事務所として活用されています。昭三蔵は広々とした建物で、イベントや地域交流の場として親しまれています。

大五蔵(醸造伝承館)

大五蔵1916年(大正5年)に建設され、現在は醸造伝承館として利用されています。木造2階建ての土蔵造りで、内部は2本の太い柱で支えられた堅牢な構造が特徴です。建築面積は106m²で、もともとは仕込み蔵として使用されていました。伝統的な醸造技術や道具の展示が行われており、訪れる人々に日本の醸造文化の歴史を伝えています。

昭二蔵

1927年(昭和2年)に建設された昭二蔵は、木造平屋建てで、建築面積は87m²。特徴的なのは、キングポストトラスという洋風建築技法を用いて広い空間を実現している点です。現在は事務所兼店舗として活用され、歴史と現代の調和が感じられる建物となっています。

昭三蔵

1928年(昭和3年)に建設された昭三蔵は、建築面積202m²を誇る広大な建物です。現在はイベントスペースとして活用され、地域の文化活動や音楽会なども開催されており、地域交流の場として親しまれています。

こだわりの商品ラインナップ

中定商店は、創業以来、素材と製法にこだわり抜いた商品を提供し続けています。特に、以下の商品が人気を集めています。

主力商品

その他の人気商品

見学案内とアクセス

醸造伝承館の見学は事前予約制となっており、工場見学とあわせて試食も楽しむことができます。豆味噌やたまりの奥深い味わいを、実際に舌で確かめられるのも大きな魅力です。

開館時間:9:00~17:30
休館日:土曜日・日曜日・祝日
所在地:愛知県知多郡武豊町小迎51
アクセス:JR武豊線「武豊駅」より徒歩約4分、名鉄河和線「知多武豊駅」より徒歩約13分

まとめ

豆味噌・たまり 醸造伝承館は、知多半島が育んできた醸造文化を五感で体験できる観光スポットです。長い歴史の中で受け継がれてきた製法や道具、そして人々の思いに触れることで、日本の食文化の奥深さを実感することができるでしょう。武豊町を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたい場所のひとつです。

Information

名称
豆味噌・たまり 醸造伝承館
(まめみそ たまり じょうぞう でんしょうかん)

知多半島・常滑

愛知県