如意輪寺は、愛知県知多郡南知多町内海中之郷にある、真言宗豊山派の寺院です。本尊は如意輪観世音菩薩であり、伝説によれば弘法大師(空海)によって彫られた如意輪観音像が祀られています。知多四国霊場の第四十六番札所として、多くの巡礼者が訪れる由緒ある寺院です。
如意輪寺の創建は奈良時代の神亀年間(724年~729年)にまで遡ります。行基菩薩によって建立された観福寺の一院として始まりました。しかし、南北朝時代から戦国時代にかけて観福寺は衰退し、多くの子院も荒廃しました。その後、天文2年(1533年)、篤信の帰依者によって現在の地に堂宇が再建され、寺の歴史が新たに紡がれることとなりました。
さらに、天正2年(1574年)には梅山和尚が中興開山となり、寺院の復興に努めました。この時、稲沢の萬徳寺から「如意輪寺」という寺号を授かり、現在に至る名称となりました。
江戸時代に入ると、如意輪寺は知多半島でも有力な寺院の一つとなり、文政7年(1824年)には妙楽寺の亮山阿闍梨和尚らによって開かれた知多四国霊場において第四十六番札所として定められました。翌年の文政8年(1825年)には知多四国霊場の本部が如意輪寺に置かれ、その影響力の大きさがうかがえます。
如意輪寺が知多四国霊場の本部となった背景には、内海の繁栄がありました。内海はかつて千石船をはじめとする海運業で栄え、多くの人々や物資が行き交う活気ある地域でした。その中心となったのが内海川の流域です。
現在では、当時の賑わいとは異なり、静かな街並みと落ち着いた風情を残す地域となっていますが、如意輪寺の存在はこの地の歴史的な重要性を今に伝えています。
如意輪寺の本堂は、2002年(平成14年)に大規模な修繕工事が行われ、境内の一段高い場所へと移設されました。この際に山門や塀も整えられ、現在の美しい佇まいが生まれました。本堂には如意輪観世音菩薩が安置され、多くの参拝者が訪れます。
祖師堂には、真言宗の祖である弘法大師(空海)を祀っています。巡礼者の多くがこの堂を訪れ、祈りを捧げています。
庚申信仰に基づく庚申堂も境内にあり、人々が健康や長寿を願う場となっています。
地蔵堂にはお地蔵様が安置され、特に子どもや旅人の守り神として信仰を集めています。
護摩堂では護摩祈祷が行われ、厄除けや願望成就を願う人々が訪れます。
如意輪寺には、南知多町指定の文化財である円空仏が安置されています。この円空仏は通常非公開ですが、旧暦10月8日から10月12日にかけて開帳されます。
この薬師如来像は、江戸時代の仏師・円空によって彫られた貴重な仏像です。貞享年間から元禄年間初期(1684年~1689年)頃の作とされており、2001年(平成13年)12月1日に南知多町指定文化財に指定されました。
如意輪寺へは、名鉄知多新線「内海駅」から徒歩で約22分の距離にあります。静かな街並みを歩きながら寺へ向かうことで、歴史を感じることができるでしょう。
如意輪寺は、長い歴史と文化財を有する寺院であり、多くの巡礼者や観光客にとって訪れる価値のある場所です。知多四国霊場巡りの一環として、あるいは円空仏の拝観を目的として、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。