大倉会館は、愛知県大府市に位置する複合公共施設で、本棟と別棟の二つの建物から構成されています。隣接地には四季折々の自然が楽しめる大倉公園が広がり、文化・学び・憩いの場が一体となった、大府市を代表する公共施設の一つです。市民にとって身近な存在であると同時に、観光で訪れる人々にとっても、大府の歴史や文化を深く知ることができる貴重なスポットとなっています。
大倉会館は、1980年(昭和55年)に大府市の市制施行10周年を記念する事業として建設されました。完成した年には、その建築的価値が高く評価され、第12回中部建築賞に入賞しています。公共施設でありながら、デザイン性と機能性を兼ね備えた建築物として、現在も高い評価を受けています。
当初は、本棟に大府市中央図書館と大府市歴史民俗資料館、別棟に大府児童老人福祉センターを備えた三施設構成でした。しかし、2014年(平成26年)に中央図書館が移転したことに伴い、現在は本棟に大府市歴史民俗資料館、別棟に大府児童老人福祉センターを配置する二施設体制となっています。
大府市歴史民俗資料館は、1980年(昭和55年)11月1日に開館した施設で、大府市の歴史や人々の暮らしを後世に伝える役割を担っています。その前身は大府町郷土資料館で、大府市立大府小学校の旧木造校舎を利用していました。
資料館の1階では、明治初期の民家が実物大で再現されており、当時の生活の様子を肌で感じることができます。機織り道具や生活用品、農耕具、養蚕用具などが展示され、近代以前の大府の暮らしが具体的に伝わってきます。
2階には、愛知県指定文化財である藤井宮御酒瓶子をはじめ、古墳から出土した貴重な遺物や、歴史をわかりやすく解説するパネル展示が行われています。考古学的資料と文献資料の双方から、大府地域の歴史を多角的に学ぶことができます。
2015年(平成27年)3月には、旧中央図書館の移転に伴う改修工事が完了し、施設はさらに充実しました。1階には大府市歴史的公文書保存書庫(公文書館)と企画展示室が新設され、市の公的記録を保存・公開する重要な役割を担っています。2階には多目的ホールと会議室が整備され、講演会や学習活動、地域交流の場として幅広く活用されています。
建築面積は約570平方メートル、延床面積は約1,120平方メートルと、展示と学習に適した規模を誇ります。入館料は無料で、どなたでも気軽に訪れることができる点も大きな魅力です。
開館時間は午前9時から午後6時まで(最終入館は午後5時30分)となっており、休館日は毎週月曜日、毎月最終金曜日、年末年始などが設定されています。来館の際には事前に開館日を確認すると安心です。
別棟に位置する大府児童老人福祉センターは、0歳から18歳までの児童と、60歳以上の高齢者が利用できる複合施設です。世代を超えた交流が生まれる場として、市民の生活に深く根付いています。
館内では、一年を通じてさまざまな行事が開催されており、子どもクラブや体育教室、ファミリークラブ、親子サークル、高齢者向けの趣味クラブなど、多彩な活動が行われています。また、子ども家庭相談も実施されており、地域福祉の拠点として重要な役割を果たしています。
大倉会館へのアクセスは非常に便利です。JR東海道本線・武豊線「大府駅」東口から北へ約600メートル、徒歩でおよそ10分と、電車利用でも気軽に訪れることができます。
また、大府市循環バス(ふれあいバス)の東コースまたは中央東コースを利用し、「大倉公園」停留所で下車すれば、すぐ近くまでアクセス可能です。
大倉会館・大府市歴史民俗資料館は、大府市の歴史や文化、市民の暮らしを支えてきた拠点として、今もなお重要な役割を担っています。歴史資料の見学だけでなく、学びや交流、世代を超えたふれあいの場としても魅力にあふれた施設です。大倉公園とあわせて訪れることで、より充実した時間を過ごすことができるでしょう。