喬正院は、愛知県知多郡美浜町にある高野山真言宗の寺院です。本尊には延命地蔵菩薩を祀り、脇侍として弘法大師と不動明王を安置しています。知多半島において唯一の高野山真言宗の末寺として、多くの参拝者に親しまれています。
本堂内には600体を超える仏像が安置されており、中でも二尊の大黒天は秘仏として特別な信仰を集めています。
喬正院は、1994年(平成6年)、当地の大願主であった森田美喬翁の寄進により、高野山真言宗の末寺として建立されました。
本尊の延命地蔵菩薩は、1625年(寛永2年)に飛騨の名僧・法橋了真によって彫られたと伝えられています。了真は易産(安産)と福育(子供の健やかな成長)を願い、「一刀三礼」(ひと彫りごとに三度礼拝する)という深い信仰心を込めた技法でこの地蔵菩薩を造立しました。
森田美喬翁は、この地蔵菩薩を自身の念持仏としていたところ、夢告により山陰の温泉津(ゆのつ)で砂山鉱山を掘り当て、事業の大願を成就させたと伝えられています。
本堂には多数の大黒天が安置されており、その中でも特に重要視されているのが、二尊の秘仏大黒天です。
一尊は「神将三面大黒天(じんしょうさんめんだいこくてん)」と呼ばれ、一般的な大黒天のふくよかな姿とは異なり、戦闘の武装姿をしています。右面に毘沙門天、左面に弁財天の顔を持つ三面六臂(さんめんろっぴ)の形相で、財運招福、開運厄除、病気平癒、良縁成就など、さまざまな願いを叶えるとされています。特に「必勝成就」の御利益が強いとされ、プロスポーツ選手なども多く祈願に訪れています。
もう一尊は、憤怒の表情を持つ大黒天であり、その厳しいお姿からも強い霊験が感じられます。厄除けや困難を打破する力を持つと信仰されています。
この二尊の秘仏大黒天は、毎年12月7日にご開帳され、多くの信者が訪れます。
喬正院では、大黒天が持つ「打ち出の小槌」をかたどった「吉祥宝槌」が授与されています。この小槌には三面大黒天の梵字が刻印され、護摩の炎で加持祈祷された後に手渡されます。小槌とその柄の部分には、氏名と願い事が揮毫され、毎月7日の三面大黒天招福護摩の際に特別な祈願が行われます。
寺の入口には、薬王門式の山門が構えられています。門をくぐると左右に阿弥陀如来と地蔵菩薩(しあわせ地蔵)の石像が立ち、訪れる人々を温かく迎えています。
境内には枯山水様式の日本庭園が広がっており、法輪塔、亀岩、鎮守大黒天などが配置されています。四季折々の風景を楽しめるこの庭園は、参拝者の憩いの場となっています。
住所:愛知県知多郡美浜町野間前川95-4
駐車場:あり
静かな環境に佇む喬正院は、心を落ち着け、祈りを捧げるのにふさわしい場所です。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。