千鳥ヶ浜は、愛知県知多郡南知多町大字内海に位置し、知多半島西側の伊勢湾に面して広がる美しい砂浜海岸です。弓状にのびる約2kmの遠浅の海岸線と、きめ細やかで白く輝く砂浜が特徴で、東海地方を代表する海の景勝地として長年親しまれてきました。
千鳥ヶ浜最大の特徴は、世界でも最も砂粒が小さいといわれるほど細やかな砂にあります。この砂は主に石英を成分とする「知多珪砂」と呼ばれるもので、さらさらとした感触と美しい白色が魅力です。裸足で歩いても心地よく、強い日差しの下でも照り返しがやわらかいため、家族連れや散策目的の観光客にも高く評価されています。
その景観の美しさは全国的にも認められ、1996年(平成8年)には「日本の渚百選」に選定されました。愛知県内はもちろん、東海地方でも屈指の海岸景観を誇る浜として知られています。
千鳥ヶ浜を中心とした一帯には、夏季になると内海海水浴場が開設されます。この海水浴場は、東海地区最大級の規模を誇り、最盛期には年間25万〜30万人が訪れる一大レジャースポットです。遠浅で波も比較的穏やかなため、小さな子どもから大人まで安心して海水浴を楽しむことができます。
浜の長さは約2,000m、奥行きは約80mと非常に広く、シャワーやトイレ、海の家、監視所などの設備も充実しています。名古屋市内から電車・車ともにアクセスしやすく、「愛知で海水浴といえば内海」と言われるほど高い知名度を誇っています。
遊泳可能時間:日没まで
浜の長さ:約2,000m
奥行き:約80m
トイレ:6か所
海の家:約30軒
駐車場:約2,000台
夏の賑わいとは対照的に、秋から冬にかけての千鳥ヶ浜は静かで落ち着いた表情を見せます。冬季には、強風による砂の飛散を防ぐための砂防柵が設置され、自然の風が描き出す砂模様や、同じ方向を向いて止まる鳥たちの姿など、穏やかで詩的な風景を楽しむことができます。
千鳥ヶ浜の東側には東浜海岸が続き、オーストラリア・タスマニア産のレンガを敷き詰めた遊歩道も整備されています。海を眺めながらの散策や夕日の鑑賞にも最適で、海水浴シーズン以外でも訪れる価値のある場所です。
内海地区は、江戸時代に「内海船」と呼ばれる尾州廻船の拠点として栄えました。明治時代以降は、千鳥ヶ浜を中心とした海水浴観光が発展し、1970〜1980年代には年間100万人以上の観光客が訪れるほどの隆盛を誇りました。
その後、レジャーの多様化などにより観光客数は減少しましたが、地元では温泉やフグ料理、ビーチバレーの常設コート設置など、通年型観光を目指した取り組みが進められています。こうした努力により、内海・千鳥ヶ浜は再び注目を集める観光地へと歩みを続けています。
千鳥ヶ浜周辺では、1932年(昭和7年)に内海サンドスキー場が開設され、世界初とも言われるサンドスキー競技会が開催されました。かつては7本のコースやジャンプ台、ナイター設備も備え、多くの著名なスキー選手や登山家が訪れた歴史があります。
また、知多珪砂はその優れた性質から鋳物砂としても利用され、日本の機械工業や自動車産業の発展を支えてきました。千鳥ヶ浜は、自然景観だけでなく、産業やスポーツ史においても重要な役割を果たしてきた場所なのです。
名鉄知多新線内海駅下車、南へ徒歩約15分。
または、名鉄河和線河和駅・内海駅から海っ子バスに乗車し、「内海海岸」バス停下車後、徒歩約5分。
南知多道路南知多ICから約5km、所要時間は約10分です。