愛・地球博記念公園は、愛知県長久手市に位置する県営の広域都市公園で、親しみやすい愛称として「モリコロパーク」と呼ばれています。2005年に開催された日本国際博覧会「愛・地球博(愛知万博)」の長久手会場跡地を活用して整備され、2006年7月に開園しました。約190ヘクタールという広大な敷地を誇り、自然、文化、学び、スポーツ、レジャーが一体となった、東海地方を代表する大型公園です。現在では、国内外から注目を集めるジブリパークも園内に整備され、観光地としての魅力を一層高めています。
園内には、大芝生広場、林床花園、日本庭園、南部樹林地など、自然豊かなエリアが点在しています。春には桜や新緑、夏には青々とした木々と水辺、秋には紅葉、冬には澄んだ空気と静かな森の景色が広がり、季節ごとに異なる表情を楽しめます。
整備された遊歩道や森の小径を歩けば、都市部にありながら自然の息吹を身近に感じることができます。日常の喧騒から離れ、心身をリフレッシュする場として、多くの人に親しまれています。
もりの学舎は、園内の自然を活用した環境学習施設です。展示や体験プログラムを通じて、生きものや森の仕組み、自然と人との関わりについて楽しく学ぶことができます。
「森の案内人」であるインタープリターとともに園内を歩くツアーでは、普段は見過ごしてしまう自然の魅力や生態系について、わかりやすい解説を聞くことができます。限定公開される「かめの池散策路」では、水辺の生き物や静かな風景をじっくりと楽しめます。
愛知県児童総合センターは、「あそび」をテーマにした大型児童館です。建物全体が遊びの空間となっており、空中回廊やターザンロープ、アスレチック遊具など、体を使って遊べる設備が充実しています。
屋内施設のため、雨天や寒い季節でも安心して利用でき、子どもだけでなく大人も一緒に楽しめる点が大きな魅力です。
全長約5.1kmのサイクリングコースは、アップダウンのある本格的な設計で、レンタサイクルを利用して気軽に楽しむことができます。また、自然体感遊具やインクルーシブ遊具が整備された広場では、年齢や障害の有無に関わらず、誰もが一緒に遊ぶことができます。
愛・地球博記念公園のアイススケート場は、通年営業している点が大きな特徴です。スケート王国・愛知ならではの施設として、有名選手によるアイスショーが開催されることもあります。シューズのレンタルもあり、初心者から上級者まで楽しめます。
園内には野球場、テニスコート、フットサル場、多目的球技場、体育館などが整備され、個人利用から大会、イベントまで幅広く活用されています。天然芝の球技場では、サッカーやラグビーなども楽しめます。
日本庭園と茶室「香流亭」は、公園のにぎわいから一歩離れた静かな空間に位置しています。池泉回遊式の庭園では、四季折々の草木や水の流れを楽しむことができ、心を落ち着かせるひとときを過ごせます。
香流亭では、立礼席にて抹茶と和菓子の提供が行われており、初めての方でも気軽に日本の茶文化に触れることができます。予約制で茶会や撮影、文化活動に利用できる点も魅力です。
2022年11月、愛・地球博記念公園内にジブリパークが開園しました。スタジオジブリ作品の世界観を表現した公園施設で、従来の遊園地型テーマパークとは異なり、自然の中を歩きながら物語の舞台を巡る体験が特徴です。
ジブリパークは、「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」「もののけの里」「魔女の谷」の5エリアで構成されています。『となりのトトロ』『耳をすませば』『もののけ姫』『魔女の宅急便』『ハウルの動く城』など、数々の名作をモチーフにした建物や展示が点在し、作品の世界に没入することができます。
サツキとメイの家は、スタジオジブリ制作の名作アニメ映画『となりのトトロ』に登場する草壁家を忠実に再現した展示施設です。2005年の愛知万博開催時に建設され、当時最も人気を集めた施設のひとつとして知られています。現在はジブリパーク内「どんどこ森」エリアの中核施設として、多くの来園者を迎えています。
建物は昭和30年代(1950年代後半)の日本の農村住宅をモデルとしており、木造二階建ての外観や、縁側、瓦屋根など、懐かしさを感じさせる造りが特徴です。内部には台所、居間、子ども部屋、書斎などが丁寧に再現され、家具や日用品も当時の生活を想像できるよう細部まで作り込まれています。観覧することで、映画の世界観だけでなく、当時の日本の暮らしぶりにも触れることができます。
家の裏手には自然豊かな里山が広がり、散策路を進むと木製遊具のある「どんどこ堂」にたどり着きます。子どもたちが元気いっぱいに遊べる場所であると同時に、自然の中で身体を動かす楽しさを再発見できるエリアとなっています。
魔女の谷のみえる展望台は、ジブリパーク「魔女の谷」エリアを高台から一望できる展望施設です。この展望台の大きな特徴は、ジブリパークの入場チケットを持っていない方でも利用できる点にあります。気軽に立ち寄り、ジブリの世界観が広がる風景を楽しめる貴重なスポットとして人気を集めています。
展望台からは、「魔女の谷」に点在する建物や街並みを見下ろすことができ、まるで物語の舞台を遠くから眺めているかのような感覚を味わえます。園内の自然と調和した景観は、写真撮影スポットとしても好評で、四季や天候によって異なる表情を楽しめます。
猫の城遊具は、スタジオジブリ映画『猫の恩返し』に登場する「猫王の城」をモチーフにした遊戯施設です。ジブリパークの正式な展示施設ではありませんが、ジブリ作品の世界観を感じられるユニークな遊具として、特に子どもたちから高い人気を誇ります。
城の形をした遊具には複数の滑り台が設置されており、登ったり滑ったりと、身体を使って思いきり遊べる構造になっています。ファンタジー性と安全性を両立した設計で、家族連れが気軽に立ち寄れるスポットです。
花の広場遊具は、障がいの有無や年齢を問わず、誰もが一緒に楽しめることを目指して設計されたインクルーシブ遊具エリアです。段差の少ない設計や、感覚的に楽しめる仕掛けが取り入れられ、多様な来園者が安心して利用できる空間となっています。
周囲には季節の花々が植えられ、遊具で遊びながら自然の彩りを感じられる点も魅力です。休憩スペースも整備されており、保護者が見守りながらゆったりと過ごすことができます。
大観覧車は、高さ約88メートルを誇る東海エリア最大級の観覧車で、公園のシンボル的存在です。ゴンドラからは、愛・地球博記念公園の広大な敷地や周辺の街並み、天候が良い日には遠くの山々まで見渡すことができます。
車椅子対応ゴンドラやペット同伴可能な設備が整えられており、多様な来園者が安心して利用できます。昼間の爽快な景色はもちろん、夕暮れ時や夜間のライトアップされた風景も魅力的です。
毎年、愛・地球博の開幕・閉幕周年に合わせて、記念イベントや観覧車のライトアップが行われています。これらの行事は、万博の理念を次世代へ伝える重要な役割を担っています。
毎年12月には、公園内をコースとした愛知県市町村対抗駅伝競走大会(愛知駅伝)が開催され、県内各市町村の代表選手が健脚を競います。地域交流と県民意識の高揚を目的とした、冬の風物詩です。
愛・地球博記念公園の前身は、1970年に開園した愛知青少年公園です。野外活動やスポーツ、宿泊学習などを通じて、長年にわたり青少年育成の場として親しまれてきました。その後、2005年日本国際博覧会(愛知万博)の開催地に選定され、敷地全体が大規模な博覧会会場へと生まれ変わります。
愛知万博は「自然の叡智」をテーマに掲げ、環境共生や持続可能な社会の在り方を世界に発信しました。博覧会終了後、その理念と成果を次世代へ継承するため、跡地は記念公園として再整備されました。こうして誕生したのが、現在の愛・地球博記念公園です。
愛・地球博記念公園は、「博覧会の理念と成果を継承する」「青少年公園の歴史を活かす」「新しい時代のニーズに対応する」「多様な自然環境を育む」という基本方針のもと整備されています。
愛知県は本公園を、「健康で精神的な豊かさと楽しさに満ち、県民とともに成長し進化し続ける21世紀型の公園(サスティナブル・パーク)」と位置づけ、環境・教育・交流・観光の拠点として活用しています。
愛・地球博記念公園へは、日本初の磁気浮上式鉄道リニモの利用が便利です。地下鉄東山線藤が丘駅、または愛知環状鉄道八草駅から乗り換え、「愛・地球博記念公園駅」で下車すれば、すぐ目の前が公園入口です。
名鉄バスや高速バスも運行しており、名古屋市中心部や周辺地域からのアクセスも良好です。園内には案内所、休憩所、飲食店、売店なども充実しており、初めて訪れる方でも安心して利用できます。
愛・地球博記念公園(モリコロパーク)は、愛知万博の理念を受け継ぎながら、自然、文化、学び、遊びを一体的に楽しめる日本有数の都市公園です。日常の憩いの場としてはもちろん、観光や教育、国際交流の拠点としても重要な役割を果たしています。
四季折々の自然に包まれながら、歴史と未来が交差するこの公園で、ぜひ特別な時間を過ごしてみてください。