村積山自然緑道は、愛知県岡崎市細川町から村積山自然公園へと至る散策路・ハイキングコースです。この道は、美しい自然の中を歩きながら、村積山の魅力を存分に楽しめるルートとなっています。
村積山は、その優美な姿が富士山に似ていることから「三河富士」または「花園山」とも呼ばれています。標高は256.9メートルとそれほど高くはありませんが、山頂周辺では岡崎市の桑原町、奥殿町、奥山田町、恵田町の4つの町の境界が交わる地点となっています。
山頂には、物部守屋の子である物部真福が建立したと伝えられる村積神社が鎮座しています。この神社は、大山祇命(おおやまつみのみこと)、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)、大己貴命(おおなむちのみこと)を祭神としており、地元の人々から厚い信仰を受けています。特に、安産の守護神として名高く、細川城や大給城の歴代城主をはじめ、多くの人々の崇敬を集めてきました。
1963年(昭和38年)5月8日、「奥山田のしだれ桜」は岡崎市の天然記念物に指定されました。この桜は、702年に持統天皇が壬申の乱で功績をあげた豪族たちをねぎらうため、村積山を訪れ、自ら植えたものと伝えられています。春には美しい花を咲かせ、訪れる人々を魅了します。
村積山自然緑道のスタート地点は、足助街道(現在の愛知県道39号岡崎足助線)の北斗台口交差点です。ここには「道路の通称名」を示す案内標識が設置されており、ハイキングの出発地点となっています。
コースは、かつて細川町の田園地帯だった地域を通り、現在は住宅街として発展した「岡崎北斗台」へと続きます。北斗川沿いを東へ進むと奥山田町に入り、案内看板に従って山道を登っていきます。
登山口から村積山自然公園の駐車場までは、道幅が狭く勾配も急ですが、奥山田池駐車場までは自動車や原付でアクセス可能です。徒歩で山頂を目指せば、山頂に鎮座する村積神社に到着します。さらに北側へ下ると、奥殿陣屋へと続く道があります。
村積山は岡崎市の北西部に位置し、市役所から北北東へ約7.8キロメートルの距離にあります。周辺地域は奥殿町、恵田町、奥山田町、桑原町の4町にまたがり、山頂は奥山田町に属しています。
村積山は三河高原の一部であり、西三河山地に分類される地域に位置しています。標高は257.0メートルと比較的低いですが、その美しい山容から独立峰のような存在感を持っています。
山の地質は武節花崗岩(白雲母黒雲母花崗閃緑岩)を主とし、一部には領家変成岩類の砂質雲母片麻岩も見られます。風化が進んでいる部分もあり、土壌の養分が流れやすいため、植生は場所によって異なります。
山頂周辺にはツブラジイ(コジイ)を中心とした森林が広がり、ヤブツバキ、ヤマモモ、ヒサカキ、ベニシダなどが見られます。中腹にはアカマツ群落が広がり、さらに下るとコナラの群落が広がっています。
村積神社は、西麓に下宮があり、山頂には上宮が鎮座しています。祭神として、大山祇命・木花咲耶姫命・大己貴命の三柱が祀られています。特に、安産祈願の神社として地元の人々に親しまれています。
村積神社の創建は飛鳥時代に遡ります。大連物部守屋の次男である物部真福が、岩津の地に移住した際に守護神としてこの地に勧請したとされています。その後、鎌倉時代には細川氏の一族が神職を務めるようになり、江戸時代を経て現在に至るまで、多くの人々に信仰されています。
村積山から北側へ下ると、奥殿陣屋へと通じる道があります。奥殿陣屋は、かつての武家屋敷跡であり、歴史を感じさせる建物や庭園が見どころです。
山頂には展望台があり、岡崎市の街並みや周辺の山々を一望できます。晴れた日には遠くの山々まで見渡せるため、ハイキングの達成感を存分に味わうことができます。
村積山自然緑道は、美しい自然と歴史を楽しめるハイキングコースとして、多くの人々に親しまれています。村積神社や奥山田のしだれ桜、奥殿陣屋など見どころも豊富で、四季折々の風景を楽しむことができます。ぜひ一度、村積山の魅力を体感してみてはいかがでしょうか。