刈谷市郷土資料館は、愛知県刈谷市にある郷土資料館です。1980年(昭和55年)5月1日に開館し、地域の歴史や文化を伝える貴重な施設として、多くの市民や観光客に親しまれています。
刈谷市郷土資料館の建物は、もともと1928年(昭和3年)10月に「亀城尋常高等小学校(現在の刈谷市立亀城小学校)」の本館として建設されました。しかし、校舎の老朽化に伴い、1974年(昭和49年)には新校舎が建設され、1977年(昭和52年)には特別教室棟が完成しました。その後、この建物は使用されることなく放置されていました。
建物の取り壊しが計画された際、卒業生や文化人が保存運動を展開し、その結果、郷土資料館として保存されることが決定しました。保存が決定した当初、具体的な展示物は決まっていませんでしたが、市民から農具・柱時計・ランプなどの民具が寄贈され、資料館としての内容が充実していきました。
1979年(昭和54年)1月には改装工事が始まり、翌年度には展示品の整理が進められました。資料館の開館には約7,500万円の事業費が投じられています。
1980年(昭和55年)5月1日、正式に「刈谷市郷土資料館」として開館しました。その後、1999年(平成11年)2月17日には、国の登録有形文化財に登録され、歴史的価値が認められました。さらに、2011年(平成23年)4月29日には改装・改修工事が完了し、館内の公開が再開されました。
刈谷市郷土資料館の設計を手掛けたのは、大中肇(おおなか はじめ)という建築家です。彼は1908年(明治41年)から1924年(大正13年)まで愛知県営繕係(後の営繕課)の技手を務め、刈谷市内の学校建築にも関わりました。
外観はバロック様式の影響を受けたデザインで、鉄筋コンクリート構造2階建て、屋根は瓦葺、建築面積は748㎡となっています。歴史的な価値だけでなく、美しいデザインも魅力のひとつです。
かつては刈谷市城町図書館の2階に分室があり、刈谷城主・水野勝成が寄進した獅子頭や、天誅組総裁・松本奎堂の肖像画などが展示されていました。しかし、刈谷市歴史博物館の開館に伴い、展示物は移転され、分室は2018年(平成30年)8月31日をもって閉館しました。
入館は無料です。
刈谷市郷土資料館は、地域の歴史や文化を知ることができる貴重な施設です。昭和の暮らしを再現した展示室や、実際に体験できるはた織りなど、子どもから大人まで楽しめる内容が充実しています。また、歴史的価値のある建物自体も見どころのひとつです。
刈谷市を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。