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岡崎城

(おかざきじょう)

岡崎城は、愛知県岡崎市に位置する歴史的な城であり、徳川家康の生誕地として広く知られています。別名「龍城」とも呼ばれ、戦国時代から江戸時代にかけて重要な役割を果たしました。

戦国時代には松平氏の居城であり、江戸時代には岡崎藩の藩庁として機能しました。岡崎城の名前は、享禄年間(1528年~1531年)に定着したとされ、それ以前は「菅生郷(すごうごう)」と呼ばれていました。1959年(昭和34年)には、現在の復興天守が建設され、岡崎公園内の象徴的な存在となっています。

岡崎城の起源と築城

初期の城郭と西郷氏

岡崎城の起源は、室町時代の永享年間(1429年~1441年)に遡ります。この時期に三河国の守護代であった西郷稠頼(さいごう つぎより)が、菅生川(乙川)の南岸にある明大寺付近に「平岩城」と呼ばれる居館を築きました。この城は、現在の岡崎市上明大寺町2丁目付近にあったと考えられています。

龍頭山への移転と松平氏の台頭

1452年(享徳元年)から1455年(康正元年)にかけて、西郷稠頼は北方の防御を強化するため、菅生川北岸の「龍頭山」と呼ばれる丘陵地(標高約24メートル)に砦を築きました。この砦が後の岡崎城の基礎となります。

その後、岡崎城は西郷氏から松平氏へと移り、1524年(大永4年)、松平清康が岡崎城を占拠し、本拠を安城から移転しました。清康は1530年~1531年(享禄3~4年)頃に龍頭山の砦を本格的な城へと改修し、現在の岡崎城の形が整いました。

戦国時代の岡崎城

徳川家康の誕生

1542年(天文11年)、岡崎城内で竹千代(後の徳川家康)が誕生しました。この当時の岡崎城は、石垣がなく、茅葺の屋根を持つ簡素な建物が立ち並ぶ城でした。

今川氏の支配と家康の独立

1549年(天文18年)、家康の父・松平広忠が死去し、岡崎城は今川義元の支配下に置かれました。しかし、1560年(永禄3年)の桶狭間の戦いで今川義元が討たれると、松平元康(後の徳川家康)は今川氏から独立し、岡崎城を本拠地としました。

岡崎城の拡張と城下町の整備

家康は1570年(元亀元年)に本拠を浜松城へ移したものの、岡崎城は依然として重要な拠点でした。1590年(天正18年)、豊臣秀吉の家臣である田中吉政が城主となり、岡崎城の大規模な拡張工事を行いました。この際、近世城郭としての基盤が整備されました。

江戸時代の岡崎城

本多氏による改修

1602年(慶長7年)、徳川家康の重臣である本多康重が岡崎城に入城し、以降、譜代大名が城主を務めました。1617年(元和3年)には、3重3階の望楼型天守が建設され、1644年(正保元年)には本多忠利によって石垣が完成しました。

城郭構造

岡崎城は、もともと平山城として築かれましたが、本多家による改修により、最終的には平城となりました。城内は、本丸を中心に、二の丸、三の丸、東曲輪、北曲輪、坂谷曲輪、稗田曲輪などが配置され、複雑な防御構造を持っていました。

明治時代以降の岡崎城

廃城と復興

1873年(明治6年)、廃城令により岡崎城は取り壊され、城内の建物は払い下げられました。長らく城跡のみが残る状態でしたが、1959年(昭和34年)に天守が復興されました。

平成・令和時代の再整備

2010年(平成22年)3月には、江戸時代の工法を忠実に再現した東隅櫓が再建されました。2022年(令和4年)には、翌年のNHK大河ドラマ『どうする家康』の放送に合わせて、城内展示のリニューアル工事が行われました。

2023年(令和5年)1月には、リニューアルオープンし、「三河武士のやかた家康館」も「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」として公開されました。2024年(令和6年)には、「岡崎公園」が「岡崎城公園」に改名され、さらなる観光地としての発展が期待されています。

岡崎城の復興天守

岡崎城の天守は、徳川家康公の生誕地として知られ、多くの歴史ファンや観光客に親しまれています。江戸時代には「神君出生の城」として崇められましたが、明治維新後に取り壊されてしまいました。しかし、昭和34年(1959年)に市民の熱意により、かつての姿を再現した復興天守が完成しました。

復興天守の特徴

現在の岡崎城天守は、天守台の石垣に囲まれた1階の穴蔵から、城下町や三河の山々を一望できる5階の展望室まで、歴史と現代が融合する展示がされています。館内には、岡崎の歴史や文化を学べる工夫が施されており、訪れる人々にわかりやすく紹介されています。

天守内の各階の見どころ

【5F】展望室

天守最上階の展望室からは、360度の大パノラマが広がります。南と西には矢作川と菅生川、北には三河の山々、東には岡崎市の中心部を見渡すことができます。また、市内の観光スポットや岡崎城下町の散策コースを紹介する案内コーナーも設置されています。

【4F】岡崎城シアター

江戸時代の岡崎城下町を映像で体験できるシアターです。床面に投影されたマップを歩くと、城下町の景観が現れ、現在の街並みと比較できます。壁3面のスクリーンに映し出される迫力ある映像と音響で、臨場感あふれる歴史体験ができます。

【3F】庶民の活気 岡崎城下町

岡崎城下町の賑わいをジオラマやAR(拡張現実)で再現。東海道や舟運の発展とともに栄えた岡崎の町並みが、まるで当時にタイムスリップしたかのように体感できます。伝統産業として名高い「岡崎石工品」「八丁味噌」「和ろうそく」「三河花火」の歴史も紹介されています。

【2F】家康が生まれた城 岡崎城

岡崎城の成り立ちや城郭の特徴を展示。江戸時代の城を知るための模型や城絵図、さらに三河ゆかりの刀剣や発掘調査による出土品も展示されており、岡崎城の歴史を深く学ぶことができます。

【1F】天守台穴蔵と心礎

天守台の石垣に囲まれた穴蔵があり、中央には旧天守の心柱の礎石が残されています。この心柱は3階まで続いていたと考えられています。また、城内で使用されていた鯱瓦や建築用材も展示されています。

周辺施設

三河武士のやかた家康館

1982年(昭和57年)に岡崎公園内に開館した歴史資料館で、家康公と三河武士の活躍を学ぶことができます。

菅生神社

岡崎市最古の神社で、本多忠利が寄進した明神型石鳥居は市の指定文化財となっています。

観光みやげ店 おかざき屋

2023年、大河ドラマ『どうする家康』の放送に合わせて移転・新築された観光みやげ店です。

岡崎公園

岡崎城のある岡崎公園は「日本さくら名所100選」に選ばれる桜の名所です。園内には名物の八丁味噌を使った田楽料理を提供する「八千代本店」もあります。

アクセス情報

駐車場

岡崎公園駐車場(有料)が利用可能です。

まとめ

岡崎城は、戦国時代から現代に至るまで、日本の歴史に深く関わってきた城です。徳川家康の生誕地としてだけでなく、江戸時代の譜代大名の拠点としても重要な役割を果たしました。現在では、観光スポットとしても人気があり、岡崎城公園内の復興天守や櫓、家康館などが多くの訪問者を魅了しています。

Information

名称
岡崎城
(おかざきじょう)

岡崎・豊田・奥三河

愛知県