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旧市川家住宅

(きゅう いちかわけ じゅうたく)

旧市川家住宅は、愛知県日進市にある歴史的な住宅で、江戸時代中期の宝永6年(1709年)に建設されたと伝えられています。その後、明和6年(1769年)に現在の場所に移築され、庄屋建築として利用されていました。広さ1,362m²の敷地には、主屋と座敷2棟があり、江戸時代の建築様式をよく伝えています。

建物の歴史

この住宅は、野方村の庄屋であった市川藤蔵の住宅として建てられました。当初、愛知郡植田村(現在の名古屋市天白区)に建てられましたが、1769年に愛知郡野方村(現・日進市)に移築されました。両村は飯田街道沿いに位置し、距離は約4.5kmです。

近代の保存活動

1998年頃まで市川家の住居として使用されていましたが、無人となった後、2012年に市川清子氏から日進市に寄付されました。日進市は専門家による調査を依頼し、学術的価値の高い建物であることが確認されました。2013年には国の登録有形文化財に指定され、改修工事を経て2015年に一般公開が始まりました。

建築様式と特徴

旧市川家住宅は「四つ建て」と呼ばれる尾張地方特有の建築様式を採用しています。木造平屋建ての主屋は9つの部分に分かれており、土間、クド、馬屋、板の間、納戸、縁側、座敷などがあります。また、調査中に明治から昭和初期の新聞が発見され、貴重な歴史資料として注目されています。

四つ建て形式の重要性

「四つ建て」とは、上屋の4本の柱を梁で繋ぐ構造で、尾張地方独特の形式です。この建築様式が残る事例は非常に貴重であり、学術的にも高い評価を受けています。平成26年度の改修工事中に発見された墨書には「宝永6年(1709)」との年記があり、建造年代が明らかとなりました。

内部構造

旧市川家住宅の主屋は9つの部分に分かれており、それぞれが独自の役割を持っています。

1. 土間(ニワ)

三和土(たたき)の床を持つ土間は、板の間との境界に鳥居のような形をした柱があり、四つ建ての特徴が見られます。

2. クド

ご飯炊きや煮物をするための場所です。

3. 馬屋(マヤ)

明治時代には交通手段として木曽馬が飼われていました。

4. 板の間(カッテ・ダイドコ)

嘉永年間に二室に分割されましたが、現在は建造当初の一室に復元されています。

5. 納戸・奥納戸

古い形式の板戸が特徴的な収納スペースです。

6. 縁側

座敷の外側には庭園と前庭に面した縁側があります。

7. 座敷・中の間

接客用の空間で、付書院や床の間などが見られます。

施設案内と利用方法

一般公開と見学

旧市川家住宅は自由に見学できる施設であり、火曜日から日曜日の午前9時から午後5時まで開館しています。

四季折々のイベント

旧市川家住宅では、四季に応じたイベントや飾り付けが行われます。例えば、1月はお正月飾り、3月はひなまつり、5月は端午の節句、7月は七夕飾りなど、多彩な催しが訪れる人々を楽しませます。

主なイベント

四季を楽しむ魅力

こうしたイベントは、訪問者に季節の移ろいを感じさせるだけでなく、伝統文化に触れる貴重な機会を提供します。特にパネル展示やワークショップは、家族連れにも人気です。

アクセス情報

旧市川家住宅へのアクセスは公共交通機関が便利です。また、駐車場には限りがあるため、訪問時には乗り合わせや公共交通機関の利用を推奨しています。

まとめ

旧市川家住宅は、江戸時代の庄屋建築として貴重な歴史的価値を持つ建物です。四つ建て形式や内部構造、季節ごとのイベントなどを通じて、訪れる人々に庄屋の暮らしを体験させる魅力的な場所となっています。ぜひ訪れて、その歴史と文化を感じてみてください。

Information

名称
旧市川家住宅
(きゅう いちかわけ じゅうたく)

岡崎・豊田・奥三河

愛知県