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上地八幡宮(岡崎市)

(うえじ はちまんぐう)

上地八幡宮は、愛知県岡崎市上地町に鎮座する歴史ある神社です。本殿は室町時代に建造され、現在は国の重要文化財に指定されています。地域の信仰を集めるだけでなく、美しい桜の名所としても知られ、多くの参拝者が訪れます。

上地八幡宮の歴史と由緒

源範頼と上地八幡宮

伝承によれば、上地八幡宮の創建当初は、豪族大見藤六の屋敷に隣接する小さな祠に過ぎませんでした。1184年(元暦元年)、源頼朝の弟である源範頼(みなもとののりより)が平家討伐のために西へ向かう途中、この地に立ち寄り、小祠に祀られていた八幡神に戦勝を祈願しました。

範頼は、「私がこの戦で勝利を収めることができたならば、この小祠を立派な社殿に建て替えさせてほしい」と願いをかけ、戦場へと向かいました。その後、範頼は見事勝利を収め、三河国の守護に任じられました。そして、1190年(建久元年)、約束通り上地八幡宮の社殿を造営し、これが神社の正式な創建とされています。

室町時代から現在まで

上地八幡宮の本殿は、室町時代に建造されたものであり、1926年(大正15年)4月19日には、当時の古社寺保存法に基づき、特別保護建造物(現在の重要文化財)に指定されました。本殿は三間社流造(さんげんしゃながれづくり)、檜皮葺(ひわだぶき)の様式を持ち、その美しい建築が特徴です。

その後、1948年(昭和23年)には新たに拝殿が建設され、現在に至ります。歴史的価値の高い建築物が今もなお大切に守られています。

上地八幡宮の例大祭

毎年秋季に2日間にわたって開催される例大祭は、地域を代表する伝統行事の一つです。神輿の巡行や太鼓の練り込み、奉納花火など、多彩な催しが行われ、多くの参拝者や観光客で賑わいます。

例大祭の主な行事

鬱金桜(うこんざくら) 〜美人桜と呼ばれる名木〜

上地八幡宮は、美しい桜の名所としても知られています。特に拝殿の前には、京都御所の庭と同様に、神さまから見て右側に橘(右近の橘)、左側に桜(左近の桜)が植えられています。その左近の桜として、鬱金桜(うこんざくら)という珍しい品種が植えられています。

鬱金桜とは

鬱金桜は、淡い黄緑色の花を咲かせる希少な桜の品種です。その控えめで上品な色合いから、「美人桜」とも呼ばれています。毎年4月中旬ごろに見頃を迎え、多くの花見客で賑わいます。

鬱金桜の由来

上地八幡宮は、源氏にゆかりの深い神社であったことから、江戸時代には徳川幕府の庇護を受けていました。今から約300年前、社殿の老朽化に伴い修繕を願い出るために上京した際、幕府から2本の桜の苗木を賜りました。そのうちの1本が鬱金桜であり、これが現在の上地八幡宮に植えられています。

昭和時代の移植

幕府から下賜された鬱金桜は、当初、陳情に上がった古老の屋敷内に植えられていました。しかし、1947年(昭和22年)の拝殿造営に伴い、現在の場所へと移植されました。

鬱金桜の復活

一時は樹勢が衰え、主幹が枯れてしまう危機に直面しました。しかし、多くの人々の尽力により、子株・孫株が育ち、再び美しい花を咲かせるようになりました。現在では、ふんわりとした綿帽子のような見事な花姿を楽しむことができます。

上地八幡宮の魅力

上地八幡宮は、源範頼の創建伝説室町時代の貴重な本殿華やかな例大祭、そして希少な鬱金桜と、歴史と自然が調和した美しい神社です。岡崎市を訪れる際は、ぜひ足を運んでみてください。

Information

名称
上地八幡宮(岡崎市)
(うえじ はちまんぐう)

岡崎・豊田・奥三河

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