七曲古窯址群は、愛知県知多市にある中世の窯跡であり、「常滑窯(知多窯)」の一つに数えられています。知多市によって史跡として指定されており、歴史的にも貴重な遺跡です。
知多半島には、確認されているだけで1000基を超える古窯跡が存在しており、「知多半島古窯跡群」と総称されることもあります。その中でも、七曲古窯址群は中世の「窖窯(あながま)」と呼ばれる窯跡の一つで、昭和30年代にはその存在がすでに知られていました。
七曲古窯址群が位置する場所には、1986年に「七曲公園」が開園されました。公園の造成に伴い、1986年から1988年にかけて3回の発掘調査が行われ、その結果、A群・B群・C群の3つのエリアにわたる14基の窯が確認されました。
そのうち、保存状態が良かった2基の窯には保護のための上屋が設けられ、現在も保存されています。その後、1991年(平成3年)に知多市指定史跡として登録されました。
A群には7基の窯が確認されましたが、保存されているのは1号窯と3号窯のみです。その他の窯は公園造成の際に消失しました。
12世紀に作られた窯で、燃焼室の分焔柱や焼成室の床面が良好な状態で残っていました。発掘では、山茶碗や山皿が出土しています。
13世紀に使用されたと考えられる窯で、全長16メートル、幅3.5メートルに及びます。天井部分は崩落していたものの、焚口から煙道までの構造が確認され、保存されました。甕や壺などの陶器が出土しています。
2号窯(7メートル)、4号窯(13.5メートル)、5号窯(8メートル)などが存在し、それぞれ甕や壺、片口鉢、山茶碗などが出土しました。7号窯は未使用のまま放棄された窯であり、出土品はありませんでした。
B群には3基の窯が確認されましたが、調査後に埋め戻され、現存しているかは不明です。
15.4メートルの長さを持ち、甕や片口鉢、山茶碗が出土しました。
7.9メートルの長さがあり、片口鉢や山茶碗、山皿が発見されました。
2.9メートルと小型の窯で、山皿、山茶碗、片口鉢が出土しています。
C群には4基の窯が存在しましたが、公園の造成に伴いすべて消失しました。
10メートルの長さがあり、片口鉢や広口壺、陶錘(とうすい)が出土しましたが、盗掘の痕跡も見られました。
14.9メートルの規模で、片口鉢や広口壺が確認されました。
2.1メートルの小型の窯で、山茶碗や山皿が出土しました。
4.7メートルの規模を持ち、山茶碗が出土しました。
D群からG群は未調査のため、詳細は不明ですが、一部の窯体は現存している可能性があります。
埋め立てられて所在が不明ですが、甕が出土したとの記録があります。
テニスコート西側の雑木林に複数の窯体が残存し、山茶碗が発見されました。しかし、一部には盗掘の跡が見られます。
駐車場西側の雑木林に窯体が露出し、灰原の一部が残存している可能性があります。甕が出土しました。
A群3号窯の北側に1基の窯が露出し、山茶碗や鉢が出土しました。また、その他にも複数の窯が残存している可能性があります。
七曲古窯址群は、知多半島における中世の陶器生産を知る上で極めて貴重な遺跡です。特に、A群1号窯と3号窯は良好な状態で保存されており、当時の窯の構造を直接観察することができます。
七曲公園内に保存された窯跡は、見学することが可能です。ただし、未調査の窯群については立ち入りが制限されている場合があるため、注意が必要です。
七曲古窯址群は、中世の知多半島における陶器生産を示す貴重な遺跡であり、現在も保存活動が進められています。公園内に残る窯跡は、当時の陶器作りの様子を伝える重要な文化財として、多くの人々に歴史の深さを伝えています。