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乙川祭礼

(おっかわ さいれい)

乙川祭礼(乙川祭り) は、愛知県半田市乙川地区で毎年3月の第3日曜日と前日の土曜日に行われる、乙川八幡社(乙川八幡宮・入水上神社)の祭礼です。

この祭りの最大の特徴は、勇壮な「坂上げ」と呼ばれる神社への山車の引き込みで、その荒々しさから「ケンカ祭」とも称されます。愛知県内の山車行事の先陣を切ることから、地元メディアでは春の風物詩として取り上げられることが多いです。

歴史的背景

祭礼の起源については、宝暦5年(1755年)の「乙川村祭禮絵巻」にその様子が描かれており、それ以前から続く由緒ある祭りであることがわかります。

祭礼に関わる人々

祭りに関わる人々は、山車組ごとの血縁者で構成され、組織は女人禁制となっています。しかし、観光客や女性でも、山車を曳く「先綱(さきづな)」を引いて参加することができます。

また、半田市周辺では山車のことを「御車(おくるま)」と呼ぶのが一般的ですが、乙川地区では「山車(やま)」または「軕(やま)」と表記されます。

乙川祭りの概要

神輿と山車の役割

乙川祭りは、もともと旧暦の正月15・16日(現在の2月上旬頃)に開催されていました。この時期は一年で最も寒く、祭りの日には「糸切り風」と呼ばれる寒風が吹きすさぶのが特徴でした。

祭りでは、神輿に乗った神様が乙川八幡社から若宮社へと渡御(とぎょ)し、翌日に還御(かんぎょ)するという神事が行われます。この際、神様を警護するために氏子が打ち囃子を奏で、4輌の山車が曳き出されます。

乙川の山車

一番車:浅井山(宮本車)

建造時期:不明(安政6年〈1859年〉、昭和25年〈1950年〉に大改修)
水引幕刺繍:「波に龍」
からくり人形:前棚「三番叟」、上山「唐子遊び」

二番車:殿海道山(源氏車)

建造時期:不明(嘉永5年〈1852年〉、大正10年〈1921年〉、昭和24年〈1949年〉に大改修)
水引幕刺繍:「松に鷹」

三番車:南山(八幡車)

建造時期:天保年間(1830年 - 1844年)、明治43年(1910年)改造
水引幕刺繍:「群鳩飛翔」
からくり人形:上山「役小角大峰桜」

四番車:西山(神楽車)

建造時期:不明(明治43年〈1910年〉、昭和25年〈1950年〉に大改修)
水引幕刺繍:「日の出に鶴」

祭礼の見どころ

乙川八幡社での「坂上げ」と「坂下ろし」

場所:乙川八幡社
時間:

坂上げは、山車を神社へ引き込む迫力ある場面で、多くの見物客を魅了します。一方、坂下ろしは、巨大な山車が急坂を下るスリリングな場面であり、慎重な楫さばきが求められます。

半田型の最大級の山車

乙川の山車は、半田型(知多型)の中でも最大級の大きさを誇ります。5年に一度開催される「はんだ山車まつり」では、その圧倒的な存在感が際立ちます。

彫金(飾り金具)の美しさ

乙川の山車は、隙間なく取り付けられた豪華な彫金(飾り金具)も特徴のひとつです。これは、江戸時代後期まで乙川の山車が「塗り車(漆塗りの山車)」だったことに起因し、当時の豪華な装飾が今も受け継がれています。

まとめ

乙川祭りは、勇壮な山車の曳行や神輿の渡御、伝統的な行事が見どころの歴史ある祭礼です。祭りの日には、ぜひ乙川八幡社を訪れ、その迫力と美しさを体感してみてください。

Information

名称
乙川祭礼
(おっかわ さいれい)

知多半島・常滑

愛知県