茶臼山高原道路は、愛知県北設楽郡豊根村から設楽町西納庫までを結ぶ、延長14.2キロメートルの山岳道路です。現在は愛知県道507号茶臼山高原設楽線として無料開放されており、愛知県最高峰・茶臼山と、その周辺に広がる茶臼山高原へと至る主要なアクセス道路として、多くの観光客に利用されています。
かつては観光有料道路として整備され、天竜奥三河国定公園内の景勝地を通り抜けるルートとして親しまれてきました。2008年(平成20年)4月13日の無料開放後も、その名称は愛称として定着し、「茶臼山高原道路」の名で広く知られています。
茶臼山高原道路は、愛知県の最高峰である茶臼山(標高1,416メートル)の南側山腹を走る道路で、天竜奥三河国定公園内の高原地帯を縫うように通っています。全線が対面通行で、カーブは多いものの、走行しやすく整備されており、ドライブ初心者でも安心して走れるルートです。
沿道は標高が比較的低い区間では木々に囲まれつつも明るく、次第に標高を上げていくにつれて視界が開け、奥三河の山並みと高原ならではの開放的な風景が広がります。特に津具高原牧場付近から終盤の約3キロメートルは、視界が大きく開け、なだらかな丘陵と日本的な農村風景が連なる、心癒される景観が続きます。
茶臼山高原道路は、春から秋にかけて沿道にさまざまな花が咲き誇り、自然観察を楽しみながらのドライブが魅力です。春は新緑と山野草、夏は深い緑に包まれた爽快な高原風景、秋には愛知県内でも屈指の美しさを誇る紅葉が道路沿いを彩ります。
特に秋の紅葉シーズンには、赤や黄色に染まった木々が連なり、走るだけで季節の移ろいを体感できる絶景ロードとなります。晴れた日には、遠くの山々まで見渡すことができ、写真愛好家にも人気のドライブコースです。
茶臼山は、愛知県北設楽郡豊根村と長野県下伊那郡根羽村の県境に位置する山で、標高1,416メートルを誇る愛知県最高峰です。山域一帯は天竜奥三河国定公園に指定され、豊かな自然環境が今も大切に守られています。
山頂には愛知県側と長野県側、それぞれに展望台が設けられており、天候に恵まれた日には奥三河の山々から南アルプスの山並みまでを一望することができます。写真では分かりにくいものの、「山の上に山がある」とも形容される独特の地形も、茶臼山ならではの特徴です。
茶臼山と、その南西に位置する標高1,358メートルの萩太郎山との間に広がる一帯は、茶臼山高原と呼ばれています。ここは愛知県で最も標高の高い高原地帯で、「愛知県で一番空に近い場所」とも称されるほど、澄んだ空気と雄大な景色に恵まれています。
高原内には、休暇村茶臼山高原、高原の美術館、矢筈池、レストハウス、天空庵、県営放牧場など、多彩な施設が点在し、観光・宿泊・体験の拠点として整備されています。
春の茶臼山高原を代表する景観が、萩太郎山の山頂付近に広がる天空の花回廊「芝桜の丘」です。約2万2千平方メートルの敷地に、約40万株もの芝桜が植えられており、日本でも有数の高標高に咲く芝桜の名所として知られています。
ピンク、白、紫、青紫など、色とりどりの芝桜が織りなす花の絨毯は圧巻で、残雪を抱く南アルプスの山々を背景に広がる景色は、まさに天空の楽園と呼ぶにふさわしい美しさです。見頃は5月中旬から6月中旬にかけてで、期間中にはライトアップが行われ、昼とは異なる幻想的な風景も楽しめます。
標高1,400メートル級の茶臼山高原は、夏でも平均気温が約23度と涼しく、避暑地として最適な環境です。新緑に包まれた高原では、ハイキングやマウンテンバイク、ゴーカート、カヌー体験など、多彩なアウトドアアクティビティが楽しめます。
矢筈池では足こぎボートが人気で、爽やかな水辺の風景の中、家族や友人とゆったりとした時間を過ごすことができます。また、無料のドッグランも整備され、小型犬エリアと中・大型犬エリアに分かれているため、愛犬連れの旅行にもおすすめです。
秋になると茶臼山高原は、赤や黄色に染まる紅葉の名所へと姿を変えます。標高が高いため、愛知県内でも特に早く紅葉が始まり、湖畔や遊歩道を彩るモミジやカエデが訪れる人々を魅了します。
夜間には紅葉のライトアップが行われることもあり、昼間とは異なる幻想的な雰囲気の中で、静かな秋の高原を楽しむことができます。秋祭り期間中には、地元グルメが集まるイベントや名物のいも煮会なども開催され、食と自然を同時に満喫できます。
冬の茶臼山高原は、愛知県唯一のスキー場として多くの人で賑わいます。萩太郎山の北斜面に広がる茶臼山高原スキー場は、ファミリーや初心者向けの緩やかなコースから、中・上級者向けのコースまで揃い、幅広い層に対応しています。
そり専用ゲレンデや雪あそび場、動く歩道「ベルコン」も完備されており、小さな子ども連れでも安心して雪遊びを楽しめます。晴れた日には、リフト上から南アルプスの雄大な景色を望むことができ、爽快な滑走体験が味わえます。
茶臼山高原道路は、単なる移動手段ではなく、走ること自体が観光体験となる魅力的な道路です。高原の風景、四季の彩り、そして茶臼山高原という一大リゾートへと続く道は、多くの人に癒やしと感動を与えてくれます。
愛知県最高峰の自然を間近に感じながら、ゆったりとした時間を過ごせる茶臼山高原と茶臼山高原道路。ドライブ、花観賞、アウトドア、ウィンタースポーツと、四季を通して楽しめるこの地を、ぜひ訪れてみてください。