羽布ダムは、愛知県豊田市羽布町鬼の平に位置し、矢作川水系巴川に建設された重力式コンクリートダムです。主に西三河地方の農業用水の確保を目的として建設され、1963年(昭和38年)に完成しました。その後、観光地としての整備も進み、四季折々の美しい風景が楽しめるスポットとなっています。
羽布ダムの完成後、ダム湖を活用した観光開発が進められました。1965年(昭和40年)に愛知県知事によって「三河湖(みかわこ)」と命名され、1970年(昭和45年)には三河湖を含む一帯が愛知高原国定公園に指定されました。
三河湖は、四季折々の美しい景色が楽しめます。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には静寂の湖面が広がり、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。
1979年(昭和54年)、下山村(現・豊田市)が「三河湖観光センター」を整備しました。その後、1996年(平成8年)に「香恋の館」、1999年(平成11年)に「手づくり工房山遊里」が建設され、観光施設の充実が進められました。
2005年(平成17年)、三河湖は「ダム湖百選」に選定され、美しい湖の景観が全国的に認められることとなりました。
1979年(昭和54年)に完成した三河湖観光センターは老朽化が進み、2023年(令和5年)11月にいったん閉鎖されました。その後、新たに建て替えが行われ、2024年(令和6年)11月にリニューアルオープンする予定です。
羽布ダムでは、ダムカードと四季カードを配布しています。四季カードは、羽布ダム周辺の四季折々の風景をモチーフとしたもので、三河湖周辺の観光情報も掲載されています。
羽布ダム周辺の飲食店では、ダムをモチーフにした「羽布ダムカレー」を提供しています。ダムをイメージしたユニークな盛り付けと地元の食材を活かした味わいが特徴です。
三河湖の入口に位置し、湖を眺めながらベンチやデッキでゆっくり休憩できるスポットです。春の新緑、夏の輝く湖面、秋の紅葉など、四季折々の風景を楽しむことができます。
「香り」をテーマにした体験施設で、フレッシュフラワーやドライフラワーを使った「季節の花リース」や「ソルトポプリ」作りなどが楽しめます。周辺には芝生広場や散策道、無料のドッグランも整備されており、のんびり過ごすことができます。
矢作川は古くから水量が豊富で、「五万石でも岡崎様は・・・お城下まで船が着く・・・」と唄われるほどでした。しかし、明治時代には明治用水や枝下用水などの大規模な農業用水が整備され、発電所の開発も進んだことで水の利用量が増加しました。
1944年・1945年(昭和19・20年)には大干ばつが発生し、下流地域の農家に深刻な被害をもたらしました。このため、農林省(現・農林水産省)が矢作川農業水利事業として羽布ダムを建設することを決定しました。ダムの建設は1952年(昭和27年)に開始され、11年の歳月をかけて1963年(昭和38年)に完成しました。その後、1964年(昭和39年)より愛知県西三河農林水産事務所による管理が開始されました。
1997年(平成9年)からは、岡崎市の上水道の一部としても利用されるようになり、農業用水だけでなく生活用水としての役割も果たしています。
羽布ダムは農業用水の確保という目的で建設されましたが、現在では観光地としても発展し、多くの人々に親しまれています。三河湖の美しい風景や、四季を感じられる観光スポット、ユニークな羽布ダムカレーなど、訪れる楽しみが尽きません。歴史あるダムの魅力と自然の豊かさを堪能できる羽布ダムへ、ぜひ足を運んでみてください。