道の駅 どんぐりの里いなぶは、愛知県豊田市武節町針原に位置し、国道153号(飯田街道)沿いに整備された道の駅です。奥三河と信州方面を結ぶ重要な街道沿いにあり、長距離ドライブの休憩地点としてはもちろん、観光・体験・温泉を一度に楽しめる複合型施設として、多くの人々に親しまれています。日帰り入浴施設「どんぐりの湯」を併設している点も大きな特徴で、旅の疲れを癒やしながら稲武の魅力を存分に味わうことができます。
道の駅どんぐりの里いなぶは、1998年(平成10年)4月17日に道の駅として登録されました。その後、2015年(平成27年)1月30日には、「体験観光の総合窓口」や「移住促進」の役割が評価され、重点「道の駅」に選定されています。単なる休憩施設にとどまらず、地域の歴史・文化・観光情報を発信する拠点として、稲武地域全体を支える存在となっています。
稲武は、かつて塩の道と美濃街道が交差する宿場町として大いに栄えた土地です。その往時のにぎわいを現代に再現しているのが、道の駅内にある特産品販売所「どんぐり横丁」です。ここでは、岡崎の八丁味噌、飯田の果物、山岡の寒天、新城のお茶など、街道沿いの市町村を代表する特産品が一堂に会します。
さらに、「お米のふるさと稲武」と呼ばれる地域ならではの米文化も大きな魅力です。稲武産ブランド米ミネアサヒや、古代米「朝紫」「おくのむらさき」を使った加工品、米粉を使用したモチモチ食感のパンなど、ここでしか味わえない商品が豊富にそろっています。
どんぐり横丁では、標高350〜1,000メートルの寒暖差の大きい稲武で育った新鮮野菜や高原の花々が並びます。昼夜の寒暖差が大きい気候は、野菜や果物の甘みを引き出し、訪れる人々に「山里の味」を届けてくれます。ブルーベリージュースやジャム、山ごぼう漬け、古代米入りカステラ、山菜おこわなど、素朴ながらも滋味深い味わいが人気です。
道の駅に併設されている稲武温泉「どんぐりの湯」は、日帰り入浴施設として高い人気を誇ります。1階の「花の温泉」では、露天風呂の周囲に季節の花が植えられ、木桶風呂や薬湯、桧風呂など多彩な浴槽を楽しめます。2階の「森の温泉」は、壁や天井に木材を多用し、森林浴のような安らぎに包まれる空間が広がります。
浴槽には、遠赤外線効果が高いとされる段戸石が贅沢に使用されています。体を芯から温め、老廃物の排出を促すといわれ、岩盤浴や露天風呂でその効果を実感できます。また、館内には豊田市産の木材がふんだんに使われており、自然素材ならではのぬくもりが感じられます。
しだれ桜の湯、ブルーベリーの湯、ラベンダーの間、すずらんの湯、福寿草の湯など、それぞれ花の名前と花言葉をテーマにした個性的な浴槽がそろっています。高温サウナや水風呂、露天壺湯もあり、健康増進やリラクゼーションを目的とした入浴を存分に楽しむことができます。
館内の食事処では、稲武産ミネアサヒを使った五平餅や、地産地消を意識した料理が提供されています。特に、ジビエ料理のロースト鹿丼や、五平味噌をアレンジした味噌カツ丼など、山里ならではの味覚は訪れた際にぜひ味わいたい一品です。
道の駅周辺には、体験型施設どんぐり工房も併設されています。明治12年築の古民家を移築した建物で、五平餅作り、うどん・そば打ち、ピザ作りなどの調理体験や、木工細工、草木染めといった工芸体験が行われています。稲武に受け継がれてきた暮らしの知恵や文化を、実際に体験しながら学べる貴重な施設です。
周辺には、大井平公園の紅葉や清流、ホタルの舞う夏の夜、冬の樹氷や氷瀑など、四季折々の自然美が広がります。自然散策の後に温泉で体を癒やし、特産品を味わうという過ごし方は、道の駅どんぐりの里いなぶならではの楽しみ方です。
道の駅どんぐりの里いなぶは、国道153号と国道257号が交差する「稲武町」交差点から西へ約500メートルの場所にあります。バス利用の場合は、豊田市駅や足助方面から「稲武・足助線」で終点「どんぐりの湯」下車が便利です。
道の駅どんぐりの里いなぶは、温泉、食、体験、自然が一体となった奥三河屈指の観光拠点です。宿場町としての歴史を感じながら、山里の恵みと温泉に癒やされるひとときを、ぜひ稲武で過ごしてみてはいかがでしょうか。