道の駅したらは、愛知県北設楽郡設楽町清崎字中田に位置する、国道257号沿いの道の駅です。奥三河の豊かな自然に抱かれた設楽町において、「食べる・買う・学ぶ・体験する」を一体で楽しめる地域交流と観光の拠点として誕生しました。単なる休憩施設にとどまらず、郷土資料館や体験型施設を併設した、文化と産業を発信する複合施設である点が大きな魅力です。
設楽町は、豊川・矢作川・天竜川という三つの大河の水源地を有する、全国的にも稀有な地域です。清らかな水と標高の高い高原地帯、昼夜の寒暖差といった自然条件に恵まれ、古くから稲作や山の幸、川の幸を中心とした暮らしが営まれてきました。道の駅したらは、こうした自然と人の営みが育んできた文化や産業を、訪れる人に分かりやすく、楽しく伝える場として整備されています。
施設内に併設されている奥三河郷土館は、「奥三河のくらしとこころを伝える」をテーマとした歴史民俗資料館です。設楽の自然環境や生きもの、大地の成り立ちから、人々の暮らしや社会の始まり、民俗文化、歴史絵巻に至るまで、テーマごとに分かりやすく展示されています。
子どもから大人まで楽しみながら学べる構成となっており、観光の合間に立ち寄ることで、設楽町という土地への理解がより深まります。地域に根ざした資料館として、学校教育や生涯学習の場としても重要な役割を果たしています。
屋外には、1968年(昭和43年)に廃線となった旧豊橋鉄道田口線で実際に使用されていた木製車両「モハ14型」が展示されています。かつて奥三河と市街地を結び、人々の生活を支えた鉄道の歴史を、実物車両を通して体感できる貴重な施設です。
この車両は、旧奥三河郷土館から道の駅したらへ移設されたもので、鉄道ファンはもちろん、地域の近代史に触れる学習素材としても高い価値を持っています。
道の駅したらの象徴的な施設の一つが、ほうらいせん酒らぼです。設楽町で150年以上続く老舗酒蔵「関谷醸造」と連携し、日本酒づくりを実際に体験できる、全国的にも珍しい体験型施設です。
設楽の廃校をイメージした実験室のような空間で、地元産のお米を使い、米洗い・蒸し・仕込み・搾りといった日本酒造りの工程を少人数制で体験できます。体験を通して、日本酒づくりの奥深さや、地域の風土と酒文化の結びつきを実感できる内容となっています。
また、日本酒づくり体験のほかにも、甘酒教室や各種ワークショップが開催されており、子どもやお酒を飲まない方でも楽しめる工夫がなされています。体験で仕込んだお酒が後日1本プレゼントされるのも魅力の一つです。
1階にある清嶺市場は、設楽町を中心に奥三河地域で生産された特産品を販売する物販コーナーです。旬の高原野菜や山菜、お米、加工品、乾物、木工品、ジビエ商品など、ここでしか出会えない商品が所狭しと並びます。
特に設楽町産のお米は、全国品評会でも高い評価を受けており、「ここにしかない美味しいお米」として多くの来訪者に支持されています。また、奥三河の清流で育った川魚の加工品や、設楽特産の新種サーモン「絹姫サーモン」関連商品も人気です。
清嶺食堂では、地元食材をふんだんに使用したオリジナルメニューが楽しめます。設楽町産トマトをたっぷり使ったスパイシートマトカレーや、鹿肉を使用したジビエ料理、絹姫サーモンを主役にした定食など、地域の魅力を「味」で伝える料理が揃っています。
季節限定メニューや期間限定メニューも多く、何度訪れても新しい発見があるのも魅力です。道の駅のレストランとしては本格的な内容で、観光客だけでなく地元の人々にも親しまれています。
道の駅したらは、観光拠点としての機能も充実しています。大型駐車場やバイク専用駐輪場、EV充電設備を完備し、ドライバーやツーリング客にも配慮されています。24時間利用可能なトイレや授乳室、バリアフリートイレ、情報コーナー、公衆無線LANなど、誰もが安心して利用できる環境が整っています。
周辺には、武田氏と織田・徳川連合軍が激突した歴史の舞台と関わりの深い田峯城や、三河三観音の一つである田峰観音(高勝寺)など、歴史と文化を感じられる観光地が点在しています。道の駅したらを起点に、奥三河の山里を巡る旅を楽しむのもおすすめです。
道の駅したらは、奥三河・設楽町の自然、歴史、文化、産業、食を一体的に体験できる、学びと発見に満ちた道の駅です。休憩の場としてだけでなく、地域を深く知るための観光拠点として、訪れる人それぞれに豊かな時間を提供してくれます。奥三河を訪れる際には、ぜひ立ち寄りたい魅力あふれるスポットです。