愛知県 > 犬山・瀬戸 > 海上の森

海上の森

(かいしょ もり)

海上の森は、愛知県瀬戸市の海上町を中心に屋戸町、吉野町、広久手町にかけて広がる約600ヘクタールの里山と森林です。この森は庄内川水系矢田川の支流、海上川などの上流域に位置し、200以上の小さな湿地が点在することが特徴です。

2005年に開催された「愛・地球博(愛知万博)」の瀬戸会場候補地として注目を浴び、環境保護運動の舞台となった場所でもあります。

海上の森の概要

海上の森は愛知県瀬戸市の南東部に位置し、広さは約530haに及びます。この森林はかつて薪の採取などで荒廃しましたが、多くの努力により豊かな緑が回復しました。現在では里山や水辺など多様な自然環境を有し、多くの野生動物や植物が生息しています。現在、この地域は「愛知万博記念の森」として愛知県が市民の協力を得ながら管理しています。

海上の森の見どころ

海上砂防池

海上砂防池は、昭和50年に北海上川に築造された砂防ダムによってできた池です。この池は農業用水として利用される一方、水没した木々が幻想的な風景を作り出しており、訪れる人々に「大正池」のような趣を提供しています。

里山サテライト

里山サテライトは、古民家を再利用した木造2階建ての施設です。ここでは、ボランティア活動の拠点や休憩所として利用され、訪問者はゆったりとした時間を過ごすことができます。

物見山

標高327.9mの物見山は、かつて戦国時代に偵察地として利用されました。現在では、西側から尾張平野や名古屋駅のツインタワーを望むことができ、絶景ポイントとして知られています。

海上の森に生息する生き物

海上の森には多種多様な生物が生息しています。哺乳類や鳥類をはじめ、昆虫や絶滅危惧種の植物も見られ、東海地方特有の「東海丘陵要素」と呼ばれる植物群も確認されています。

あいち海上の森センター

あいち海上の森センターは「愛・地球博」の理念を継承する施設で、本館と遊歩施設から構成されています。このセンターは、海上の森の保全や自然との関わりを深める学びの場として、多くの人々に利用されています。

本館

本館は地上3階・地下1階で、展示室や情報ライブラリー、工作室などが設けられています。展示室では、海上の森の自然や歴史について学ぶことができ、ライブカメラでリアルタイムの森の様子を見ることも可能です。

遊歩施設

遊歩施設は、1周1時間ほどで自然を楽しめるコースが整備されています。また、平安時代の古窯を保存した「窯の歴史館」や、休憩所として利用される「繭玉広場」など、多彩な見どころがあります。

繭玉広場

「山繭」をモチーフにした木造建物で、休憩や学習会などに使用されています。独特な構造が特徴的で、訪問者に安らぎを提供します。

物見の丘

物見の丘は、間伐材を利用した遊具や展望台があり、自然の中で遊ぶことができます。

歴史

古代から近代までの利用

海上の森周辺には古墳群が点在し、武田信玄の墓があるという伝説も残る地域です。近代以降、瀬戸焼の陶土採取や窯の燃料として利用されたことで一時的に樹木が失われました。しかし、明治期以降に植林が進められ、戦後に森林が回復しました。

愛知万博の舞台へ

1988年に愛知県が万博構想を発表し、1990年に海上の森が会場候補地となりました。しかし、希少な動植物の生息地であることが明らかになると、環境保護を求める声が高まりました。オオタカの営巣地が確認されたことを契機に、市民団体や自然保護団体による反対運動が展開されました。

その結果、主会場は愛知青少年公園(現在の愛・地球博記念公園)に変更され、海上の森は小規模な「瀬戸会場」として自然展示を行う形に落ち着きました。

森の環境

多様な生態系

海上の森には多くの湿地があり、希少な植物や動物が生息しています。例えば、東海地方特有のシデコブシやトウカイモウセンゴケが湿地に自生し、オオタカ、ヤマガラなどの野鳥も観察されます。

また、遊歩道ではウグイスやギフチョウ、ムササビなどが見られるほか、秋にはクリや柿の実など季節ごとの自然の美しさを楽しむことができます。

保全活動

森の生態系を保護するため、地元自治体や市民による間伐などの保全活動が行われています。特にシデコブシの自生地では、過密な樹木を間伐して日当たりを確保する取り組みが進められています。

アクセスと周辺施設

海上の森の西側には愛知環状鉄道線や国道155号が通り、交通の便が良い立地です。さらに、南山大学や愛知工業大学などのキャンパスも周辺に点在しています。

森の一部は「あいち海上の森センター」として整備されており、環境学習や自然観察の拠点となっています。近隣には「瀬戸万博記念公園」もあり、訪問者は豊かな自然を体感しながら学ぶことができます。

まとめ

海上の森は、里山と森林が織りなす自然の宝庫であり、愛知万博の理念を未来に伝える大切な場所です。訪れる人々は、豊かな生態系と自然の恵みを感じながら、持続可能な環境保護の意義を学ぶことができます。

Information

名称
海上の森
(かいしょ もり)

犬山・瀬戸

愛知県