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守口大根

(もりぐち だいこん)

守口大根は、日本の伝統野菜の一つであり、特にその細長い形状が特徴です。一般的な大根とは異なり、非常に長く成長し、時には180cmにも達することがあります。そのため、収穫方法や栽培環境にも特別な工夫が求められます。

守口大根は、その特異な形状と栽培の難しさから、全国的に見ても生産地が限られています。現在では、主に愛知県丹羽郡扶桑町と岐阜県各務原市の木曽川流域で栽培されており、これらの地域で生産される守口大根は、漬物業者と契約栽培され、全国に流通しています。

守口大根の歴史

守口大根の歴史は古く、その名の由来となった大阪府守口市が発祥の地とされています。16世紀ごろには、大阪天満宮周辺や守口の地域で長大根が栽培されており、当時は「宮前大根」と呼ばれていました。その後、守口で作られていた糟漬(かすづけ)の主要原料となったことから、「守口大根」と呼ばれるようになりました。

しかし、戦後の都市化による農地の減少により、大阪府内での生産は途絶えました。その後、愛知県や岐阜県へと生産地が移り、現在ではこれらの地域が主要な産地となっています。

守口大根の栽培と特徴

特徴的な形状

守口大根は、一般的な大根と比較して極めて細長いのが特徴です。その直径はわずか3~4cm程度で、平均の長さは120~130cm、最大で180cmに達することもあります。また、淡緑色の葉を持ち、1本あたりの重さは約230gとされています。

この独特の形状のため、通常の大根とは異なる収穫方法が必要になります。守口大根は、根が深く伸びるため、ごぼう収穫にも使われる「ルートディガー」と呼ばれる機械を用いて、土を振動させながら引き抜く方法で収穫されます。

生産地と栽培環境

現在の主要生産地は、愛知県丹羽郡扶桑町と岐阜県各務原市です。特に扶桑町では全国生産の約7割を占めており、日本一の生産量を誇ります。

守口大根の栽培には特定の土壌条件が必要で、以下のような条件を満たす地域でのみ栽培されています。

これらの条件を満たす地域として、木曽川流域の扶桑町(山那・南山名・小淵)や岐阜県の各務原市、笠松町などが挙げられます。

守口大根の利用方法

守口漬としての利用

守口大根の主な利用方法は、「守口漬」としての加工です。守口漬は、守口大根を酒粕で漬け込んだ漬物で、奈良漬に似た風味を持ちます。この守口漬は、名古屋名物としても知られ、特に土産物として人気があります。

現在、扶桑町で生産される守口大根はすべて守口漬に加工され、市場に出回る生の守口大根はほとんど存在しません。これは、生産者と漬物業者との契約栽培によるものです。

守口大根のギネス記録

2013年11月23日、扶桑町の農家が育てた191.7cmの守口大根が「世界最長の大根」としてギネス世界記録に認定されました。この記録は、大根の長さにおいて初めてギネス記録に登録されたものです。

守口大根の生産課題

生産量の減少

近年、守口大根の生産量は減少傾向にあります。特に新型コロナウイルスの影響により、守口漬の需要が大きく落ち込み、それに伴い生産量も大幅に減少しました。

例えば、2019年度の生産量は22万トンでしたが、2020年度には9万トンにまで減少しました。2021年度もわずかに回復したものの、依然としてコロナ前の半分以下の水準に留まっています。しかし、2022年度には出荷量が約15万キロとなり、徐々に回復の兆しを見せています。

今後の展望

守口大根は、伝統的な日本の食文化を支える貴重な食材の一つです。しかし、栽培環境の制約や生産者の減少などの課題も抱えています。

今後は、地元の農家や行政が協力し、守口大根の魅力を発信することで、さらなる認知度の向上と消費拡大を目指す必要があります。また、守口漬だけでなく、新しい利用方法の開発などを進めることで、持続可能な生産体制の確立が求められています。

Information

名称
守口大根
(もりぐち だいこん)

犬山・瀬戸

愛知県