瀬戸染付工芸館は、愛知県瀬戸市に位置する陶磁器の伝統技術を学び、体験できる施設です。この施設では、瀬戸焼の伝統技法「瀬戸染付」の保存と継承を目的とした活動が行われています。
瀬戸染付工芸館は、2000年(平成12年)4月15日に「瀬戸市マルチメディア伝承工芸館 - 瀬戸染付研修所」として設立されました。その後、2014年(平成26年)4月に現在の名称へと改名されました。施設は、瀬戸市に存在していた製陶所の跡地に建てられており、瀬戸染付の技術を後世に伝えるために設立されました。
主な活動として、瀬戸染付研修所では染付技術の研修が行われています。また、研修生や職人の作品展示、瀬戸染付に関する資料や名品の展示も行われ、体験教室や講義を通じて一般の来館者も染付の技法を学ぶことができます。
本館は、明治時代中頃に建築された木造2階建ての建物です。この建物は、かつて製陶所として使用されていました。工芸館として再生された際には、伝統的な板壁と土壁を組み合わせた外観が施され、趣深い佇まいとなっています。この本館は2000年に第8回愛知まちなみ建築賞にも選ばれています。
本館内では、事務所としての機能を果たすだけでなく、研修生の作品を展示するスペースも設けられています。瀬戸染付の美しさや技術を間近で感じることができる貴重な空間です。
交流館は、江戸時代から存在した染付窯屋「古陶園竹鳳窯」の細工場を模して復元された建物です。1階には瀬戸染付研修所が設置されており、研修生がろくろや絵付け作業を行う様子を見学することができます。
2階には「染付焼情報展示室」があり、ここでは瀬戸染付に関する資料や映像を見ることができます。また、染付名品の展示や、年に4回の企画展も開催されており、染付技術の魅力をさらに深く学ぶことができます。
古窯館では、登り窯の一種である古窯(こがま)を展示しています。この古窯は元々、現在の位置より南にある経塚山(弘法山)の古陶園竹鳳窯で使用されていたものです。1947年(昭和22年)に現在地に移築され、1964年(昭和39年)まで使用されていました。移築時には五連房から三連房に縮小されています。
この古窯は瀬戸市内で唯一残るものとして、1997年(平成9年)に瀬戸市指定文化財に、さらに2007年(平成19年)には経済産業省近代化産業遺産に指定されました。瀬戸焼の歴史を知る上で非常に重要な施設です。
瀬戸染付工芸館は、瀬戸焼とその染付技術を後世に伝えるための重要な役割を果たす施設です。歴史ある建物や展示物を通して、瀬戸の文化と伝統を学ぶことができる場所として、多くの来館者に親しまれています。体験教室や企画展なども充実しており、陶磁器や染付に興味がある方にはぜひ訪れていただきたい施設です。