間々観音は、愛知県小牧市間々本町にある浄土宗の寺院です。正式な寺号は「龍音寺」、山号は「飛車山」と称され、「間々乳観音」(ままちちかんのん)の名でも広く知られています。
間々観音は、尾張三十三観音の第二十四番札所、また尾張西国三十三観音の第五番札所です。ご本尊の千手観音像は授乳や母乳育児の願いに霊験あらたかとされ、日本唯一の「お乳のお寺」として親しまれています。
間々観音の創建は1492年(明応元年)とされ、永正年間説もあります。当初は小牧山に建立されていましたが、織田信長の命により現在地に移されました。
かつて間々観音が安置されていた小牧山の観音洞は現在も残り、歴史の深さを物語っています。
境内には尾張徳川家の菩提寺である建中寺から移築された山門があります。また、女性の乳房をかたどった手水舎や線香立てがあり、観音堂横には乳房を模した絵馬が多数奉納されています。
昔、小牧山の南に住む貧しい母子が観音様にお米を供えて祈ったところ、不思議と乳房が張り、豊富な母乳が出るようになりました。この奇跡は村中に広まり、観音様への信仰が深まるきっかけとなりました。
また、ある農夫が病気の馬を観音様に祈願することで健康な馬にしたと伝えられています。この話から「曳駒山(ひきこまやま)」や「駒来山(こまきやま)」と呼ばれるようになりました。現代では交通安全やペットの健康守護の祈願所としても知られています。
ご本尊の十一面千手観世音菩薩は秘仏とされ、かつて弘法大師が入唐の大願成就を祈念し自ら造立したものと伝えられています。昭和59年には新たに入仏開眼された高さ約2.6メートルの観音像も建立され、信仰を集めています。
授乳や子育てのご利益がある間々観音は、多くの参拝者に親しまれています。交通安全祈願やペットの健康守護も行われ、現代の生活にも密接に関わる信仰の場です。
間々観音へのアクセスは、こまき巡回バスおよび名鉄バスの「間々乳観音前」停留所で下車するのが便利です。