瀬戸永泉教会は、愛知県瀬戸市杉塚町に位置する日本キリスト教団の教会です。この教会は1900年(明治33年)に現在の礼拝堂が建てられ、愛知県で最も古い木造教会として今日でも礼拝が続けられています。2010年(平成22年)には登録有形文化財に指定され、その歴史的価値が広く認められています。
1877年(明治10年)頃、名古屋でプロテスタント系宣教師による伝道が開始されました。その後、瀬戸市にある東光寺の住職・小野祖芳が仏教とキリスト教の融和を目指し、牧師や他宗教の指導者たちと交流しました。1879年(明治12年)には、小野祖芳が牧師の山本秀煌を東光寺に招き、檀家らにキリスト教講義を行いました。しかし、この出来事は当時としては非常に革新的で、多くの批判を受けました。
1888年(明治21年)、一致教会から分離して永泉教会が正式に設立されました。その後、瀬戸町に永泉教会が移転し、教会名が「瀬戸永泉教会」に改称されました。この移転をきっかけに信徒数が増加し、地域社会にも大きな影響を与えました。
1899年(明治32年)、信徒の増加を受けて新しい礼拝堂の建設が計画されました。そして1900年(明治33年)11月25日、現在の礼拝堂の献堂式が行われました。この式典にはアメリカ人宣教師ジェームス・ハミルトン・バラが司式者として出席しました。礼拝堂の建設費は約916円で、そのうちの423円は信徒からの寄付で賄われました。
礼拝堂は木造平屋建てで、切妻造や桟瓦葺きが施されています。壁面は下見板張りで、ゴシック建築に見られる半円形の窓や六角形の窓などが特徴的です。また、礼拝堂の構造には濃尾地震後に普及したトラス構造が採用されています。
第二次世界大戦後、瀬戸永泉教会は宗教団体法の廃止を受けて1947年(昭和22年)に再設立されました。1950年(昭和25年)には献堂50周年記念礼拝が行われ、その後も教会活動が活発に行われました。1988年(昭和63年)には教会設立100周年を迎え、記念講演会が開催されました。
2010年(平成22年)には礼拝堂が登録有形文化財に登録され、2014年以降、特別公開イベント「あいたて博」に参加するなど地域との交流が深まりました。また、2022年(令和4年)には「愛知まちなみ建築賞」を受賞し、その歴史的建築としての価値が再評価されています。
瀬戸永泉教会は瀬戸市の中心部を流れる瀬戸川沿いに位置しており、周囲の自然と調和した美しい景観を楽しむことができます。礼拝堂の建築面積は86㎡で、敷地内に西面して建っています。
〒489-0822 愛知県瀬戸市杉塚町5
竣工:1900年11月25日
構造形式:木造、瓦葺き
瀬戸永泉教会は、地域に根付いた歴史と文化を象徴する存在です。愛知県最古の木造教会として、その建築的価値や信仰の歴史が今もなお語り継がれています。訪れる人々に静謐な祈りの場を提供しつつ、歴史的な建築美を感じられる魅力的なスポットです。