小長曽陶器窯跡は、愛知県瀬戸市東白坂町に位置する、古瀬戸様式期の瀬戸焼の窯跡です。1971年(昭和46年)7月13日に国の史跡に指定され、2015年(平成27年)10月7日に追加指定されました。
小長曽陶器窯跡は瀬戸市東白坂町の猿投山北麓に広がる東京大学愛知演習林赤津事業地内にあります。1946年(昭和21年)に初めて学術調査が行われ、その後1969年(昭和44年)に窯体の保存措置や覆屋設置が行われました。1971年(昭和46年)には国の史跡に指定され、その後も範囲確認や追加指定が進められました。
1996年(平成7年)から2000年にかけて行われた再調査では、工房跡や灰原の調査が進められました。元禄期の改築による特徴的な窯体が現地で確認できます。
丘陵の斜面を利用した窯体は全長8.64メートルあり、焚口の幅は1.11メートルですが焼成室前部では最大2.82メートルに広がります。床面の傾斜は燃焼室で12度、焼成室後部では32度となっています。
燃焼室には石が埋め込まれており、焼成室は分焔柱によって前後に分割されています。後部には天井が残存しており、元禄期の改築部分が現存しています。
煙道部は部分的に剥落していますが、室町時代に築窯されたものとされています。前庭部には大型の土坑が検出され、多数の陶片が出土しました。
出土品は約17万点に及び、主に室町時代のものですが、江戸時代の元禄期の出土品も350点ほど確認されています。これらは主に瀬戸市内の瀬戸蔵ミュージアムで展示されています。
碗類、皿類、壺・瓶類などが出土しており、天目茶碗や緑釉小皿、茶壺などが確認されています。
茶入や碗、水指などの茶陶類が主に発見されました。
小長曽陶器窯跡は、瀬戸焼の歴史を知る上で重要な役割を果たしています。また、陶祖・加藤景正に関連する伝説も残されています。
現地では保存が進められ、覆屋も新設されています。出土品や窯跡は、地域の歴史や文化を伝える貴重な資料として活用されています。
小長曽陶器窯跡は、室町時代から江戸時代にかけての瀬戸焼の発展を物語る重要な史跡です。その構造や出土品から多くの歴史的情報が得られ、今日でも地域文化の象徴として保存・公開されています。