向山緑地は、愛知県豊橋市向山大池町に位置する都市型の公園で、豊かな自然と歴史を感じられる市民の憩いの場です。緑地の中心には、美しい水面を湛える向山大池があり、公園全体を象徴する存在となっています。そのため、向山大池公園(むかいやまおおいけこうえん)とも呼ばれ、市民から長く親しまれています。
園内には約29種類・約400本の梅の木が植えられており、毎年1月から3月には「うめまつり」が開催されます。早春の訪れを告げる梅の花は、多くの市民や観光客の目を楽しませてくれます。
豊橋市が管理する市営墓地のひとつで、市内に5か所ある市営墓地の中でも最大規模の4,711区画を誇ります。静寂な自然に囲まれ、故人を偲ぶのにふさわしい場所となっています。
この塔は、1965年(昭和40年)9月に建立されたもので、日清戦争・日露戦争・太平洋戦争で犠牲となった方々への慰霊と、恒久的な平和の実現を願うシンボルとして存在しています。終戦50周年にあたる1995年(平成7年)8月には、塔の修復も行われました。
広さ約4万平方メートルを誇るこの池は、向山緑地の中心的存在です。周囲には遊歩道が整備され、池の中央には歩行者用の橋が架けられており、散歩やジョギングに最適な環境が整っています。
池の岸辺にはヨシが植栽されており、水質浄化設備も設置されています。かつてはライギョなどの魚が泳ぎ、夏にはチョウトンボが飛び交っていました。現在でも冬になると、カモ類などの渡り鳥が越冬のために飛来し、バードウォッチングの名所としても知られています。
昭和42年(1967年)に開館した多目的ホールで、各種コンサートや講演会などが開催される市民文化の拠点です。同館内には、豊橋市向山図書館も併設されています。
1969年(昭和44年)に開館したこの施設は、子どもたちの交通安全教育と遊びを両立させた教育施設です。平成5年(1993年)にはリニューアルが行われ、より快適で楽しい空間として親しまれています。
向山緑地の中心にある大池は、承応3年(1654年)、当時の三河吉田藩主・小笠原忠知が、郡代の長谷川太郎左右衛門に命じて築造させたと伝えられています。かつてはこの池の水が吉田城(現在の豊橋公園に所在)の外堀へと流れ込み、城下町の下水処理や農業用水として重要な役割を果たしていました。
明治21年(1888年)には、本格的な農業用水施設である牟呂用水が完成したことにより、大池は農業用水としての役目を終えることとなりました。その後も、戦前には貸しボートが設置され、豊橋工兵隊の兵士たちがレクリエーションの一環として利用していたというエピソードも残されています。
また、戦前から戦後間もない頃には、現在の交通児童館がある場所には小規模ながら動物園も存在しており、地域の子どもたちにとって楽しい場所となっていました。戦後には黒真珠の養殖が行われていたという興味深い歴史もあります。
昭和42年(1967年)には、市民の文化活動の拠点として豊橋市民文化会館が開館。さらに、池の南端には大池通りが開通し、北側の一部が埋め立てられたことで、現在のように池の面積が縮小しました。
向山緑地は、JR豊橋駅から南東へ約2キロメートル、国道1号の円六橋交差点のすぐ南西に位置しています。公園は、豊橋市街地の中央部にある台地の上に整備されており、市街の幹線道路に挟まれた緑地空間として広がっています。飛び地を含めた緑地の総面積は、墓園部分2.2ヘクタールを除いて約17.13ヘクタールです。
向山緑地へは、JR豊橋駅前のバスターミナルから出発する豊鉄バス(岩田団地線・西口線・牛川金田線・天伯団地線・飯村岩崎線など)をご利用ください。「台町」バス停で下車後、徒歩約3分で到着します。公共交通機関を利用してのアクセスが非常に便利な点も、この緑地の魅力のひとつです。