豊川進雄神社は、愛知県豊川市豊川西町に位置する歴史ある神社で、かつては豊川牛頭天王と称されていました。現在では進雄神社(すさのおじんじゃ)と呼ばれ、地域の人々に親しまれている存在です。旧社格は郷社であり、長い歴史と数々の伝承に彩られた格式ある神社です。
豊川進雄神社の主祭神は進雄命(すさのおのみこと)です。スサノオノミコトは日本神話において重要な神の一柱であり、八岐大蛇を退治した勇猛果敢な神として知られています。また、災厄を祓う力や農業の神としての信仰も厚く、厄除け・五穀豊穣・家内安全などの御利益があるとされています。
当神社の創建は、文武天皇の治世である大宝元年(701年)にまで遡ります。豊川の西岸において牛頭天王を祀り、雨乞いの祭祀を執り行ったのが始まりと伝えられています。
その後、天徳元年(957年)には、現在の地に遷座されました。歴史上の名だたる武将や貴族もこの神社を訪れており、治承4年(1180年)には平維盛に仕えた平忠度が戦勝を祈願して参拝し、嘉禎4年(1238年)には征夷大将軍・藤原頼経が上洛の途中でヒノキを献納したと伝えられています。
さらに、慶長元年(1596年)には領主・池田輝政によって刀と馬鞍が奉納され、堀尾孫介が社殿を再建しました。また、寛永7年(1630年)には水野忠直、正保2年(1645年)には小笠原忠知、春日局などが参拝や奉納を行っています。享保20年(1735年)には大岡忠相が刀を献納するなど、多くの歴史的人物がこの神社に関わっています。
明治維新以降の神仏分離令によって、神社の名称が「進雄神社」へと改められ、1923年(大正12年)には元宮が本社に合祀され、「豊川進雄神社」となりました。昭和40年(1965年)には愛知県神社庁により四級社に指定されるなど、現在に至るまで地元の信仰を集めています。
境内には歴史を感じさせる堂々たる鳥居が建ち、訪れる人々を迎えてくれます。また、樹齢250年を超えるとされるシイの神木も保存されており、神聖な空気を感じることができます。この神木は2016年(平成28年)に保存整備が完了し、現在も大切に保護されています。
進雄神社の奉納綱火は、1968年(昭和43年)に愛知県指定無形文化財に指定されました。例大祭の2日目、中祭において奉納されるこの行事は、地元の夏の風物詩でもあります。
『花火縁起録』によると、万治3年(1660年)に小笠原四郎右衛門が綱火を復興したとされ、明治時代までは神社ではなく本町で行われていました。現在では拝殿から鳥居にかけて、長さ約120mの麻綱2本を張り、そこに仕掛けた噴出煙火が走り抜ける壮観な催しです。さらに、手筒花火も併せて奉納され、その迫力に圧倒されることでしょう。
豊川進雄神社では、年間を通じて多くの祭事や神事が執り行われています。その中でも特に有名なのが例大祭で、「豊川夏祭り」として地域全体が賑わいます。この祭りは、国府の大社神社、御油の御油神社と並んで「豊川三大夏祭り」のひとつに数えられています。
住所:愛知県豊川市豊川西町134
JR飯田線「豊川駅」より徒歩約5分。
名鉄豊川線「豊川稲荷駅」より徒歩約5分。
どちらの駅からも徒歩圏内でアクセスが良く、観光の際にも便利な立地にあります。
豊川進雄神社は、1300年以上の歴史を持つ古社であり、地域の人々の厚い信仰に支えられながら、現代まで受け継がれてきた貴重な文化遺産です。四季折々の行事や、伝統的な綱火の奉納など、訪れるたびに新たな発見があります。豊川市を訪れる際は、ぜひ一度足を運んで、その神聖な空気を体感してみてはいかがでしょうか。