岸田家は、愛知県小牧市小牧四丁目にある歴史的な町屋です。現在、小牧市の指定有形民俗文化財に登録されており、屋根神を有する独特な建築様式を持っています。
岸田家は、かつて「岡島」という姓を名乗っていました。江戸時代後期、天保年間に岸田七右衛門不磷が東春日井郡小牧村(現在の愛知県小牧市)で庄屋を務めていた江崎家の養嗣子となり、「岸田」姓を名乗るようになりました。岸田家はその後、幕末まで小牧村の庄屋として地域社会を支えました。
江崎七右衛門は、庄屋としての務めだけでなく、天保川の開削といった公共事業にも貢献しました。また、弘化3年(1846年)と安政3年(1856年)には家相図が作成されるなど、当時の家の詳細な記録が残されています。
明治維新後、岸田家は商業活動として竿秤の販売を手掛けるようになりました。現在の岸田家当主は岸田宗喜氏で、家系は代々受け継がれています。
岸田家主屋の正確な建築年は不明ですが、19世紀初頭には既に存在していたとされています。天保年間には改装・増築が行われ、さらに明治時代初期にも改装されました。しかし、1891年(明治24年)の濃尾地震で被害を受けました。
1988年(昭和63年)3月23日、岸田家は小牧市の有形民俗文化財に指定されました。さらに、2000年度から2001年度にかけて、指定文化財修理費補助金を活用し、江戸時代後期の姿に修復・復元されました。
岸田家の町屋は、母屋として利用されていただけでなく、小牧宿の脇本陣としての役割も果たしていました。また、現在の建物の目の前を走る道路は、かつての上街道であり、歴史的な風情を感じさせます。
修復された建物は、当時の建築様式を忠実に再現しています。現在も居住者がおり、見学を希望する場合は事前予約が必要です。なお、かつては母屋以外に別の建物や土蔵も存在していましたが、現在残るのは母屋のみとなっています。
岸田家町屋の北側にはポケットパークが整備されており、小牧宿や小牧御殿、代官所などに関する解説板が設置されています。この公園は、地域の歴史を知るための貴重な情報源となっています。また、訪問者の利便性を考慮し、2台分の駐車場も設けられています。
名鉄小牧線 小牧駅から徒歩約12分でアクセス可能です。公共交通機関を利用し、便利に訪れることができます。
岸田家は、歴史的な建築物として小牧市の文化財に指定されており、地域の歴史や伝統を今に伝える貴重な存在です。その歴史的背景や建築の特徴、周辺環境について学ぶことで、小牧市の歴史的な魅力をより深く知ることができます。観光や歴史学習の一環として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。