皿焼古窯跡群は、愛知県田原市小塩津町後山に位置する中世渥美窯の遺跡で、田原市の指定史跡となっています。
この古窯跡群は、周辺の開発に伴う土取り作業中に発見され、1978年(昭和53年)以降、3回にわたり発掘調査が行われました。その結果、合計13基の窖窯(あながま)が確認されました。
検出された窯跡の多くでは、窯体の壁面や床、分焔柱に寸莎(すさ)や陶片による補修の跡が見られます。さらに、通常の焼台列に加え、高台を活用した「代用の焼台」と見られる山茶碗が多数伏せて並べられた状態で発見されました。
出土品には、皿、甕(かめ)、壷、片口鉢などの日用品のほか、陶製の五輪塔や瓦塔、風鐸(ふうたく)といった仏教色の強い遺物も確認されています。
窯は標高約50メートル、面積約1400平方メートルの狭い斜面に、上下二段に分かれて築造されています。特徴的なのは、古い窯の煙道部末端に新たな窯の焚口が設けられていたり、一つの窯壁を隣接する二つの窯で共用している点です。これは、洪積台地の砂層が限られていたため、廃された窯のすぐ隣に新しい窯を掘らざるを得なかったことが推測されています。
残存長6.4メートル(水平部推定10.4メートル)、焼成室最大幅2.4メートル。分焔柱の一部が残存しています。
残存長11メートル(水平部推定14メートル)、焼成室最大幅2.4メートルで、分焔柱基部が現存しています。
残存長8.5メートル(焼成室6.4メートル、煙道部2.1メートル)、焼成室最大幅2.4メートル。土取り作業により燃焼室は消失し、焼成室の一部も損壊しています。
残存長7.3メートル(推定12メートル)、焼成室長5メートル・最大幅2.2メートル、煙道部長2.3メートル・最大幅1.3メートルが残っています。
残存長9.9メートル(焼成室7.25メートル・最大幅2.3メートル、燃焼室2.2メートル・幅2.2メートル)、分焔柱が残存し、埋没保存されています。
全体構造は不明ですが、煙道部長2.5メートル、幅2.0メートル、側壁5メートルおよび分焔柱基部が残存しています。
全長13.4メートル、最大幅2.4メートル。最も完全な状態で発見されました。
全長10.7メートル、最大幅2.5メートル。焼成室を閉塞するための木杭跡が検出されました。
残存長8メートル、最大幅2.8メートル(煙道部推定2.7メートル)。
渥美窯としては初めて大規模な改修が確認された窯です。残存長11メートル、推定長14メートル。埋没保存された後、復元整備され現在は公開されています。
全長6.7メートル、燃焼室2.1メートル、焼成室3.7メートル。分焔柱も一部残存しています。
山茶碗、小皿、陶錘、甕、盤片、子持器台、片口鉢、長頸壺、灯明皿、片口碗、片口鉢、突帯付壺片、土鍋などが出土しました。
陶製五輪塔、宝塔、舌、格狭間、風鐸、供養詞板など、仏教色の強い遺物も数多く発見されています。
皿焼古窯館は、1995年に開館し、旧渥美町(現在の田原市)によって設置されました。所在地は、愛知県田原市小塩津町後山1番地です。
施設内では、復元された12号窯をはじめ、発掘調査によって出土した陶器類を展示しています。なお、窯体はガラス越しに常時見学が可能ですが、館内に入るには運動公園体育館で鍵を借りる必要があります。
火曜日〜日曜日の9:00〜17:00まで開館しています。
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日〜1月4日)に休館となります。
公共交通機関: 豊鉄渥美線「三河田原駅」から豊鉄バス伊良湖支線に乗車し、「渥美運動公園」バス停下車。
自家用車: 国道259号線「保美交差点」から南進、または国道42号線「堀切交差点」から北進し、県道2号線をそれぞれ約2.5キロ、2.2キロ進んだ場所に位置しています。