蒲郡市博物館は、愛知県蒲郡市栄町に位置する市立の博物館で、1979年(昭和54年)に「蒲郡市郷土資料館」として開館し、1989年(平成元年)に現在の名称となりました。郷土の歴史や民俗、文化財を幅広く紹介し、地域の歩みを後世に伝える役割を担っています。
1階のギャラリーでは、博物館主催の企画展や市民文化祭などが開催され、市民の作品発表の場としても活用されています。特別展示室では、企画展がない期間に「灯火具コレクション」が常設展示され、江戸から明治にかけての照明文化を学ぶことができます。
このコレクションは、郷土史研究家であった故・岸間芳松氏の遺志により寄贈された約500点を含む、約800点の貴重な灯火具が収蔵されています。電灯が普及する以前の生活文化を知るうえで大変貴重な資料群であり、「秉燭(ひょうそく)」「行灯(あんどん)」「燭台(しょくだい)」など、様々な形式の照明器具が展示されています。
歴史展示室では、紀元前6500年頃の縄文時代から昭和時代に至るまで、蒲郡地域の長い歴史を紹介しています。代表的な展示物には、縄文時代の「形原遺跡」、弥生時代の「赤日子遺跡」、古墳時代の「馬乗(まのり)2号墳」からの出土品、そして江戸時代の古文書「勝善寺 梵鐘(国指定文化財)」などがあります。
民俗展示室では、かつて地域で使われていた生活道具や、塩づくりのための器具、綿織物を作るための機械などが展示されています。たとえば、「ズリマンガ」や「チャンカラ織機」、「唐箕(とうみ)」などの道具を通じて、半世紀前の暮らしぶりや技術の一端を知ることができます。
屋外には、蒲郡市内唯一の方墳である馬乗2号墳の復元展示や、蒸気機関車SL(D51201)が展示されています。この他にも、江戸時代の「道標」や、竹谷松平氏の大手門であった「高麗門」など、見どころが多数あります。
・秉燭コレクション(江戸時代):178点
・鉄地銀象嵌円頭大刀(古墳時代):1口
文書:・松平玄蕃清昌書状(1幅)・法度(2幅)・村々役高書出(1幅)
考古資料:・弥生時代の土器26点
有形民俗文化財:・灯火用具310点(秉燭コレクションとは別)
開館時間は午前10時から午後5時までで、入館料は無料です。JR・名鉄「蒲郡駅」から徒歩約8分とアクセスも良く、観光の合間に気軽に立ち寄ることができます。郷土の歴史と文化に触れられる、蒲郡観光に欠かせない施設です。