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西尾市 岩瀬文庫

(にしおし いわせ ぶんこ)

西尾市に残る書物文化の宝庫

西尾市岩瀬文庫は、愛知県西尾市亀沢町に位置する市立の博物館です。歴史的な古書や貴重な文献を多数収蔵し、書物文化の継承と研究に大きな役割を果たしています。その立地は、自然豊かな鶴城公園内にあり、隣には西尾市立図書館も建っています。

収蔵品とその文化的価値

西尾市岩瀬文庫の蔵書と収蔵品

開館当初の蔵書はおよそ10万冊に達していましたが、現在では約8万冊を収蔵しています。質・量ともに極めて高い水準を誇り、日本の古典籍や希少本が多数含まれています。

主な貴重収蔵品

年間イベントと地域との関わり

にしお本まつり

岩瀬文庫では、毎年10月に書物文化を祝う「にしお本まつり」が開催されます。展示や講演会、ワークショップなど多彩な催しが行われ、地域住民や遠方からの来館者でにぎわいます。

書物文化に対する市民の関心を高める場として、多くの来訪者から親しまれています。

岩瀬文庫のあゆみ

私立図書館としての創設

1908年(明治41年)5月6日、実業家であった岩瀬弥助氏の尽力により、私立図書館「岩瀬文庫」が創設されました。設立当初から書物の収集・保存を通じて文化の振興を目指しており、その志は現在も受け継がれています。

1919年(大正8年)頃には、西原吉治郎の設計によって、地下1階・地上3階建の煉瓦造書庫が完成しました。堅牢なこの建物は、今なおその威容を誇っています。

財団法人への移行と市立化

1930年(昭和5年)1月3日に岩瀬弥助氏が死去すると、その遺志により財団法人として岩瀬文庫が設立され、引き続き運営されました。

しかし、戦後の混乱期には財団による運営が困難となり、1955年(昭和30年)には西尾市が蔵書約10万冊を一括購入し、土地および書庫は市へ寄贈されました。そして同年4月には西尾市立図書館岩瀬文庫として公立図書館の形で再出発を遂げます。

地域と共に歩む図書館から郷土館へ

1967年(昭和42年)には、書庫の南西に西尾市郷土館が開館し、岩瀬文庫と連携して文化活動を支えてきました。また1983年(昭和58年)には、市内初の本格的な公共図書館として西尾市立図書館が隣接地に開館し、岩瀬文庫は図書館としての役目を終えます。

1999年(平成11年)6月7日には、長年にわたる書物保存の歴史的価値が認められ、岩瀬文庫書庫が国の登録有形文化財に指定されました。

博物館としての新たな歩み

2003年(平成15年)4月2日には、新たに本館と収蔵庫を建設し、「古書ミュージアム」として西尾市岩瀬文庫が再び開館します。設計は若山滋と青島設計の張奕文が担当し、建築構造はプレキャスト・プレストレストコンクリート造の地上2階・地下1階建てです。

この年には、建築の美しさと地域との調和が評価され、「第11回愛知まちなみ建築賞」を受賞しています。

博物館法に基づく登録と文化イベント

2007年(平成19年)12月7日には、博物館法に基づく正式な博物館として登録され、以後、研究・展示・教育活動が本格化しました。

2008年には創設100周年を記念し、「全国文庫サミット」が開催され、「岩瀬弥助記念書物文化賞」も創設されました。また、2016年には当時の皇太子・徳仁親王が視察に訪れ、翌年の記者会見でその感銘を語っています。

交通手段としては、「六万石くるりんバス」の「図書館・岩瀬文庫西」停留所を下車し、徒歩でアクセスすることができます。

まとめ:書物文化を未来へつなぐ場所

西尾市岩瀬文庫は、明治から現代に至るまで、書物とその文化を守り、伝える貴重な施設です。私立図書館から始まり、公立図書館、そして現在の博物館へと変遷を重ねながら、常に知と文化の灯をともしてきました。

歴史ある建築物や貴重な収蔵品、地域との深い関わりにより、岩瀬文庫はこれからも多くの人々に書物の魅力を伝え続けることでしょう。

Information

名称
西尾市 岩瀬文庫
(にしおし いわせ ぶんこ)

蒲郡・西尾・碧南

愛知県