桜井神社は、愛知県安城市桜井町に鎮座する歴史ある神社です。『延喜式』神名帳に記載される「参河國碧海郡 比蘇神社」がこの神社にあたるとされており、古くから地域の人々の信仰を集めてきました。
養老2年(718年)、熊野出身の行者・熊勝によって創建され、加賀国の白山比咩神社(白山姫神社)から勧進されたと伝えられています。当初は「碧海大明神」と称されていました。
平安時代に編纂された『延喜式』神名帳には、「参河國碧海郡 比蘇神社」として記録されており、この地にある桜井神社がそれにあたると考えられています。また、『三河国神名帳』には「従五位下桜井天神」と記載されています。
鎌倉時代から室町時代には「神明社」と称され、足利氏から多くの寄進を受けました。また、戦国時代には桜井城主の松平宗安からも社領が寄進され、地域の重要な信仰の場となりました。
永禄6年(1563年)からの三河一向一揆の際、徳川家康が戦勝を祈願し、その願いが成就したことから、以降徳川家からの崇敬を受けました。慶長19年(1614年)には家康から50石の社領が寄進され、江戸時代を通じて幕府の庇護を受けました。
明治5年(1872年)に郷社に列せられ、一時期「櫻井大神」と改称されましたが、明治8年(1875年)には「桜井神社」と改称されました。その後、大正3年(1914年)には複数の神社を合祀し、昭和5年(1930年)には昭和天皇御大典を記念して社殿が改築されました。
太平洋戦争後、神社本庁に包括され、七級社となりました。昭和40年(1965年)には本殿が安城市の指定文化財に指定され、現在も多くの参拝者が訪れる歴史ある神社となっています。
桜井神社には、多くの神々が祀られています。
本殿は慶長15年(1610年)に建立されたと伝えられ、流造の建築様式を持ちます。室町時代の神社建築の特徴が見られる貴重な建物です。
境内には253本のクロマツが生育しており、「桜井神社のクロマツ」として安城市指定の天然記念物になっています。伊勢湾台風で多くが倒れましたが、現在も老木が残り、歴史を感じさせます。
桜井神社は、歴史的な背景を持つ神社であり、徳川家康との関わりや文化財の数々が見どころです。例祭や境内のクロマツの並木も魅力的で、多くの人々に親しまれています。安城市を訪れた際には、ぜひ桜井神社の歴史と文化に触れてみてください。