竹島水族館は、愛知県蒲郡市竹島町にある市立の水族館です。正式名称は「蒲郡市竹島水族館」で、地元では親しみを込めて「タケスイ」の愛称で呼ばれています。三河湾に浮かぶ竹島の海岸側という恵まれた立地にあり、観光地・竹島エリアの中心的な存在として、多くの来館者を迎えてきました。
館内では、三河湾や遠州灘の身近な海の生き物をはじめ、熱帯地方の淡水魚、さらには全国的にも珍しい深海生物まで、約500種類・およそ4,500点もの生き物が飼育・展示されています。規模は決して大きくありませんが、その分、展示一つひとつに飼育員の工夫と愛情が込められており、日本全国に熱心なファンを持つ水族館として知られています。
竹島水族館を語るうえで欠かせないのが、深海生物の展示です。蒲郡市は、実は県内でも有数の深海魚水揚げ量を誇る地域であり、知る人ぞ知る「深海魚のまち」でもあります。こうした地域性を生かし、竹島水族館では深海魚の展示に力を入れてきました。
現在、常時展示されている深海生物は約120種類以上、冬の最盛期には140種類を超えることもあり、その展示種数は全国トップクラスを誇ります。タカアシガニやオオグソクムシ、イガグリガニなど、普段はなかなか目にすることのできない不思議な姿の生き物たちは、「こわい」「きもい」というイメージを覆し、「きもかわ」「ゆるかわ」として子どもや若い世代からも人気を集めています。
竹島水族館の大きな目玉のひとつが、深海生物に直接触れられるタッチングプールです。ここでは、オオグソクムシやタカアシガニといった深海の生き物に実際に触れることができ、来館者からは驚きと感動の声が上がります。深海の世界を「見る」だけでなく、「触れて感じる」ことができる体験は、全国的にも非常に珍しく、竹島水族館ならではの魅力となっています。
竹島水族館は、日本でも有数の歴史を持つ水族館のひとつです。1962年(昭和37年)に現在の建物が完成し、長年にわたり地域とともに歩んできました。一時は入館者数の減少により廃館が検討された時期もありましたが、規模の小ささを逆手に取ったアットホームな運営方針へと転換したことで、再び注目を集める存在となりました。
館内の随所に見られるのが、飼育員による手書きの解説パネルやユニークなポップです。専門的な知識を並べるだけでなく、思わずクスッと笑ってしまうような表現で、生き物たちの魅力が伝えられています。こうした解説はSNSでも話題となり、「解説が日本一おもしろい水族館」と紹介されることもあるほどです。
展示の多くは、担当飼育員が責任を持ってプロデュースしています。年度ごとに割り当てられる予算をもとに、それぞれが工夫を凝らして展示を構成するため、季節や時期によって内容が変化します。訪れるたびに新しい発見があるのも、竹島水族館の大きな魅力です。
館内では、カリフォルニアアシカによるアシカショーが行われており、その愛嬌たっぷりの姿と軽快なパフォーマンスは、世代を問わず人気を集めています。また、カピバラやカワウソといった動物たちの展示もあり、魚類以外の生き物との出会いも楽しめます。
「さわりんプール」や「パクパクプール」では、サメやカニ、エイなど、さまざまな生き物に触れることができ、子どもたちに大好評です。展示水槽の高さが低めに設計されているため、小さなお子様でも無理なく観察できる点も、家族連れに優しいポイントとなっています。
2024年10月、竹島水族館は大規模な増築と改装を経て、リニューアルオープンしました。これまで日本で4番目に小さい水族館といわれていましたが、館内面積は約2倍に拡張され、国内最大級レベルの深海展示大水槽が新たに誕生しました。
リニューアル後も、展示の基本姿勢は変わらず、「近さ」と「親しみやすさ」を大切にしています。バリアフリー設計で、年齢や立場を問わず、誰もが安心して楽しめる施設となっています。
竹島水族館の館内には、限られたスペースを最大限に活かした、バラエティ豊かな展示コーナーが設けられています。海水・淡水の両方を扱い、身近な三河湾の生き物から、世界の海や川、そして深海の生物、カピバラ、コツメカワウソまで、幅広い環境に生息する生き物を一度に楽しむことができます。
熱帯淡水魚コーナーでは、色鮮やかな南米・東南アジア原産の淡水魚たちが展示されています。独自のネットワークを活かし、珍しい種類の魚が不定期に登場するのも特徴で、訪れるたびに新しい出会いがあります。水草や流木を用いたレイアウトは、生き物本来の生息環境を感じられる工夫が施されています。
地元・三河湾や遠州灘沿岸に生息する魚を紹介するコーナーでは、身近な海の豊かさを実感できます。漁師の協力により水揚げされた新鮮な生き物が展示されることも多く、季節ごとに展示内容が変化します。「美味しそう」と感じる魚も多く、食文化と海のつながりを学ぶきっかけにもなっています。
このコーナーでは、温帯から熱帯の海に生息する大型の海水魚が悠々と泳ぐ姿を見ることができます。迫力ある姿を間近で観察できるため、子どもだけでなく大人にも人気の展示です。魚同士の関係性や泳ぎ方の違いなど、じっくり見ていると多くの発見があります。
サンゴ礁の海を再現した水槽では、カラフルな熱帯魚たちが泳ぎ、南国の海の雰囲気を楽しむことができます。上から覗き込むことができる水槽もあり、普段とは異なる視点で魚たちを観察できるのが特徴です。
竹島水族館最大の見どころである深海ゾーンでは、深海の冷たい海に生息する生き物が数多く展示されています。薄暗い空間に浮かび上がる不思議な姿は、まるで別世界をのぞいているかのような感覚を味わえます。
「深海の小窓」では、小型の深海生物を間近で観察でき、細かな体の構造や独特な表情までじっくりと見ることができます。全国でもここでしか見られない生き物が展示されることもあり、深海ファンにとっては見逃せないコーナーです。
2024年のリニューアルで新設された深海大水槽は、国内最大級レベルのスケールを誇ります。広々とした水槽内を泳ぐ深海生物の姿は圧巻で、竹島水族館の新たなシンボルとなっています。
また、深海生物タッチングプールでは、オオグソクムシやタカアシガニなどに直接触れることができ、深海の世界を五感で体験できます。
カメプールでは、ゆったりと泳ぐカメたちを間近で観察できます。表情豊かな姿は見ていて飽きることがありません。「さわりんプール」では、カニやサメ、エイなどに触れる体験ができ、子どもたちに特に人気のコーナーです。
アシカプールでは、人気のアシカショーが行われ、賢く愛嬌たっぷりの姿に会場は笑顔に包まれます。オットセイプールでは、水中を軽やかに泳ぐ様子や、陸上でのかわいらしい仕草を見ることができます。
標本室では、普段は見ることのできない生き物の姿を、標本を通して学ぶことができます。ギャラリーや企画展スペースでは、季節やテーマに合わせた展示やイベントが開催されており、訪れるたびに新しい発見があります。
このように竹島水族館の展示コーナーは、小さな水族館とは思えないほど内容が充実しており、何度訪れても楽しめる構成となっています。
1956年(昭和31年)に竹島園地で開館し、伊勢湾台風による被害や時代の変化を乗り越えながら、竹島水族館は歩みを続けてきました。2005年度には来館者が12万人にまで落ち込み廃館の検討もされましたが、2011年のリニューアルを契機に運営方針を転換したことで入館者数は回復し、2015年度には30万人、2018年度には過去最高となる約47万5千人を記録しました。
令和6年(2024年)4月からは、コンセッション方式により竹島開発株式会社が管理・運営を担い、さらなる魅力向上に取り組んでいます。
竹島水族館の周辺には、竹島ファンタジー館などの観光文化施設が集まり、観光散策にも最適なエリアです。JR蒲郡駅から徒歩約15分とアクセスも良く、公共交通機関・自動車のいずれでも訪れやすい立地にあります。
規模の小ささを超えた濃密な体験と、ここでしか出会えない深海の世界。竹島水族館は、初めての方はもちろん、何度訪れても新しい発見がある、魅力あふれる観光スポットです。