三ヶ根山は、愛知県額田郡幸田町・西尾市・蒲郡市の三市町にまたがる山で、三河湾国定公園に属しています。標高は約321メートルで、幡豆山塊の中では最も高い山として知られています。山頂からは三河湾をはじめ、知多半島や渥美半島まで見渡せる雄大な眺望が広がり、古くから景勝地として親しまれてきました。
三ヶ根山の最大の魅力は、海と山が織りなす変化に富んだ景観です。山頂付近からは、穏やかな三河湾と点在する島々、遠くに広がる市街地の景色を一望でき、天候に恵まれた日には名古屋方面まで見渡せることもあります。かつては山頂に回転展望台が設けられていましたが、現在は撤去されており、自然そのものの景色を静かに楽しめる場所となっています。
三ヶ根山スカイラインは、西尾市東幡豆町から蒲郡市形原温泉までを結ぶ全長約5.1キロメートルの有料道路です。標高約350メートルの尾根を走るこの道路は、ドライブコースとして非常に人気が高く、「あじさいライン」の愛称でも親しまれています。
早春には約7万球のスイセンが道沿いを彩り、2月中旬から3月中旬にかけては日本水仙、3月中旬から4月中旬には洋水仙が見頃を迎えます。さらに、6月から7月初旬にかけては約7万本のアジサイが一斉に咲き誇り、スカイライン全体が華やかな色彩に包まれます。
スカイラインの終点である形原温泉には、「あじさいの里」と呼ばれる名所があり、約5万本のアジサイが植えられています。見頃の時期には「あじさいまつり」が開催され、多くの観光客で賑わいます。また、近隣の幸田町にある本光寺は「三河のあじさい寺」として知られ、こちらでも約1万本のアジサイを楽しむことができます。
三ヶ根山は夜景スポットとしても有名です。11月上旬から1月上旬にかけては、山頂駐車場周辺でイルミネーションが実施され、幻想的な雰囲気の中で夜景を楽しむことができます。眼下に広がる蒲郡市街や三河湾の灯りは、昼間とはまったく異なる表情を見せてくれます。
山頂付近には、南方戦線で亡くなった戦没者を祀る三ヶ根観音があり、静かな祈りの場として多くの人が訪れます。また、沿線には殉国七士廟があり、歴史を今に伝える場所として知られています。観光地でありながら、平和や歴史について考える機会を与えてくれる点も、三ヶ根山の大切な側面の一つです。
三ヶ根山にはハイキングコースも整備されており、自然を身近に感じながら山歩きを楽しむことができます。季節ごとに変化する草花や木々、鳥のさえずりに耳を傾けながらの散策は、心身のリフレッシュにも最適です。
三ヶ根山スカイラインは愛知県道路公社が管理しており、普通自動車や二輪車で利用できます。ただし、自転車や125cc以下のバイクは通行できません。通行料金や通行時間には制限がありますので、事前に確認してから訪れることをおすすめします。山頂や沿線には複数の駐車場が整備されており、観光やイベント時にも対応できる体制が整っています。
三ヶ根山は、四季折々の花、爽快なドライブ、歴史と信仰、そして三河湾を一望する絶景が揃った魅力あふれる観光地です。形原温泉など周辺の観光地とあわせて訪れることで、より充実した旅を楽しむことができるでしょう。自然と景色に癒やされたい方に、ぜひ訪れていただきたい三河の名山です。